法務|令和2年度 10月 ITパスポート試験(特別措置試験) 問12
A社では,設計までをA社で行ったプログラムの開発を,請負契約に基づきB社に委託して行う形態と,B社から派遣契約に基づき派遣されたC氏が行う形態を比較検討している。開発されたプログラムの著作権の帰属に関する規定が会社間の契約で定められていないとき,著作権の帰属先はどれか。
- 請負契約ではA社に帰属し,派遣契約ではA社に帰属する。
- 請負契約ではA社に帰属し,派遣契約ではC氏に帰属する。
- ✓ これが正解請負契約ではB社に帰属し,派遣契約ではA社に帰属する。
- 請負契約ではB社に帰属し,派遣契約ではC氏に帰属する。
解説
請負では受けた側、派遣では指揮する側に著作権が残ります。
プログラムの著作権は、取り決めがない限り、実際に作った側に残るのが原則です。ここで分かれ目になるのは、作った人がどちらの会社の指揮のもとで働いていたかです。請負契約では、仕事の完成そのものを引き受けるので、受けた側は自らの指揮で人を動かして作ります。ですから著作権は受けた側に残ります。派遣契約では、派遣された人は受け入れ先の職場で受け入れ先の指揮を受けて働くので、業務のうえで作ったものの著作権は受け入れ先に生じます。契約で別に定めていれば、その定めが優先されますが、設問では定められていないと書かれているので、原則どおりに判断します。誰が雇っているかではなく、誰の指揮のもとで作ったのかという点で見ると迷いません。よって帰属先は、請負では受けた側、派遣では受け入れ先ということになります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 派遣のほうは合っていますが、請負のほうが外れます。請負では、受けた側が自らの指揮で人を動かして完成させるので、取り決めがなければ、著作権は受けた側に残ることになります。完成を引き受けるのですから、作り方も自分で決めます。
- 二つとも外れます。請負では受けた側に残り、派遣では、派遣された人が受け入れ先の指揮を受けて作るので、著作権は受け入れ先に生じます。働いた本人のもとに残るわけではありません。指揮を受けて働いた人の成果は、その指揮をした側に生じます。
- 請負のほうは合っていますが、派遣のほうが外れます。派遣という形では、日々の指示を出すのは送り出した会社ではなく、迎え入れた側です。そのため仕事の中で生まれたものの権利は、迎え入れた会社のほうに帰属します。
この問題に関係する言葉
- 著作権文章や絵、プログラムなどを作った人に自動で生まれる権利。届け出をしなくても、作った時点で発生します。
- 請負契約仕事の完成を約束して引き受ける契約のこと。作業の遂行だけを約束する準委任契約と違い、成果物を完成させる義務を負います。
- 派遣契約
出典:令和2年度 10月 ITパスポート試験(特別措置試験) 問12
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