令和5年度 春期 午前Ⅱ 問7
プロジェクトマネジメント
クリティカルパスに関する問題
図は,あるプロジェクトにおける,旧システムから新システムへの切替え移行作業の流れ図である。次の条件で作業を遂行する場合,移行開始から移行終了までの所要時間は最短で何時間か。
〔条件〕
・作業者は 3 人とし,一つの作業は 1 人が担当する。
・並行して実施できる作業は同時に進める。
・各作業者は,作業の合間で最低 1 回,連続 1 時間以上の休憩を取る。
切替え移行作業の流れ図(原典は図。上から下の順に箱を書き,↓ でつないだ。凡例は【システム区分】作業の名称 作業時間。=== は二重線=並行作業の分岐・合流):
移行開始
↓
【旧システム】オンライン停止 0.5 時間
↓
===(三つに分岐)
・【旧システム】利用者 ID データ抽出 1.5 時間 ↓ 【新システム】利用者 ID データ登録 4.0 時間
・【旧システム】マスタデータ抽出 1.5 時間
・【旧システム】取引データ抽出 2.5 時間
(マスタデータ抽出と取引データ抽出の二つが === で合流し,二つに分岐)
・【新システム】マスタデータ登録 3.5 時間
・【新システム】取引データ登録 3.0 時間
↓
===(三つの登録が合流し,二つに分岐)
・【新システム】動作確認① 0.5 時間
・【新システム】動作確認② 0.5 時間
↓
===(二つの動作確認が合流)
↓
移行終了- ア6.5
- イ7.0
- ウ7.5
- エ8.5
答えと解説を見る
✓ これが正解ウ7.5
解説
休憩を入れた割当てで、最短の所要時間は7.5時間です。
休憩を考えないときの最長経路(クリティカルパス)は、オンライン停止 0.5、取引データ抽出 2.5、マスタデータ登録 3.5、動作確認 0.5 の合計 7.0 時間です。7.0 時間で終えるにはこの経路の作業を待ちなく続ける必要があり、3 人全員に連続 1 時間の休憩を入れる余地が残りません。そこで 0.5 時間延ばした割当てを考えます。作業者1 がオンライン停止、利用者 ID データ抽出、利用者 ID データ登録(2.0〜6.0)、休憩、動作確認①(7.0〜7.5)。作業者2 がマスタデータ抽出、休憩(2.0〜3.0)、マスタデータ登録(3.0〜6.5)。作業者3 が取引データ抽出、取引データ登録(3.0〜6.0)、休憩、動作確認②(7.0〜7.5)。これで全員が休憩を取り、7.5 時間で終わります。最長経路を出してから、休憩で延びる分を割当てで確かめる、という順で解きます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア6.5:休憩を考える前の最長経路でも、オンライン停止、取引データ抽出、マスタデータ登録、動作確認の 0.5+2.5+3.5+0.5=7.0 時間掛かるので、6.5 時間では終わりません。最後の動作確認などを足し落とすと、この値になります。
- イ7.0:休憩を考えない場合の最長経路の長さです。この長さで終えるには最長経路の作業を待ちなく続ける必要があり、3 人全員が連続 1 時間以上の休憩を取る条件を満たす割当てが作れません。
- エ8.5:休憩を入れても条件を満たせる時間ですが、最短ではありません。3 人に休憩をうまく割り振れば、全員が 1 時間以上休んだうえで 7.5 時間で移行を終えられるので、8.5 時間掛ける必要はありません。
この問題の用語
- クリティカルパス全体の日数を決めている、余裕のない作業のつながりのことです。ここが遅れると全体が遅れるので、重点的に管理します。
- 移行いまのシステムから新しいシステムへ、業務とデータを移し替えることです。切り替えの手順と、途中で起きる問題の備えが要になります。
- プロジェクトある目的のために期間を決めて行う、一回限りの活動。決算処理のように同じ手順を繰り返す定常業務とは区別されます。
- 作業工程を組み立てる、一つひとつの仕事の単位のことです。開始と終了、所要日数をもち、順序をつないで全体の日程を作ります。
出典:令和5年度 春期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問7
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