平成25年度 秋期 午前Ⅱ 問7
サービスマネジメントシステムの計画及び運用
階層的エスカレーションの問題
ITILによれば,インシデントの階層的エスカレーションに該当するものはどれか。
- ア現在の担当者では解決できなかったインシデントの対応を,高度な専門知識をもつサポートグループに委ねる。
- イ現在の担当者では解決できなかったインシデントの対応を,広範にわたる関係者を招集する権限をもつ上級マネージャに委ねる。
- ウ自分のシフト勤務時間内に完了しなかったインシデントの対応を,次のシフト勤務者に委ねる。
- エ中央サービスデスクで受け付けたインシデントの対応を,利用者が属する地域のローカルサービスデスクに委ねる。
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✓ これが正解イ現在の担当者では解決できなかったインシデントの対応を,広範にわたる関係者を招集する権限をもつ上級マネージャに委ねる。
解説
権限をもつ上級マネージャに対応を委ねるのが、階層的エスカレーションです。
ITIL のインシデント管理では、エスカレーションを二つに分けます。機能的エスカレーションは、より高度な専門知識や技術をもつサポートグループへ対応を移すことです。階層的エスカレーションは、より上位の権限をもつ管理者へ対応を上げることで、解決が遅れていたり影響が大きかったりして、要員の追加や関係部署の調整といった判断が必要なときに行います。広範な関係者を招集する権限をもつ上級マネージャに委ねるという記述は、権限の階層を上がる動きなので、階層的エスカレーションにあたります。専門性の方向へ渡すのが機能的、権限の方向へ上げるのが階層的、と矢印の向きで覚えると区別しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア現在の担当者では解決できなかったインシデ…:高度な専門知識をもつサポートグループに対応を委ねるのは、専門性の高い方へ移す機能的エスカレーションです。上位の権限をもつ管理者へ判断を上げる階層的エスカレーションとは、移す先の性質が違います。
- ウ自分のシフト勤務時間内に完了しなかったイ…:シフトの交代時に、未完了の対応を次の勤務者へ渡すのは作業の引継ぎです。担当者の専門性も権限も変わっておらず、どちらの種類のエスカレーションにもあたりません。
- エ中央サービスデスクで受け付けたインシデン…:中央サービスデスクから地域のローカルサービスデスクへ回すのは、受付窓口の間で対応を振り分けることです。上位の権限をもつ管理者へ上げているわけではないので、階層的エスカレーションにはあたりません。
この問題の用語
- インシデント管理起きた出来事を受け付け、記録し、元どおりに戻すまでを決まった流れで進めること。原因の追究は別の活動として分けます。
- インシデントサービスの計画外の中断や品質の低下、またはそのおそれがある出来事です。情報セキュリティでは、安全が損なわれるおそれが高いものを指します。
- エスカレーション自分たちで解決できないことを、上位や専門の担当へ引き継ぐことです。連絡の道筋は、影響の大きさに応じて分けておきます。
- 権限そのアカウントに許された操作の範囲のことです。用途ごとに必要なものだけを与え、定義用と更新用のように分けて持たせます。
- ローカルサービスデスク利用者の近くに置く形のサービスデスクです。言語や文化の違う利用者への対応や、特別な相手への専任対応がしやすくなります。
出典:平成25年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問7
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 春期 午前Ⅱ 問8:RTOに関する問題(インシデント)
- 令和6年度 春期 午前Ⅱ 問16(権限)
- 令和4年度 春期 午前Ⅱ 問12(インシデント管理)
- 令和元年度 秋期 午前Ⅱ 問6:エスカレーションに該当するもの(ローカルサービスデスク)
- 平成29年度 秋期 午前Ⅱ 問12:インシデント・モデルに関する問題(エスカレーション)
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