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令和6年度 午後の部 問7

民事執行法

強制執行に関する問題

民事執行における債務者の財産状況の調査に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

ア 債務者の財産について一般の先取特権を有する債権者であっても、その被担保債権について執行力のある債務名義の正本を有しない場合には、当該債務者について、財産開示手続を申し立てることができない。

イ 財産開示手続の申立人以外の者であっても、債務者に対する金銭債権について執行力のある債務名義の正本を有する債権者は、当該財産開示手続に係る事件の記録中財産開示期日に関する部分の閲覧をすることができる。

ウ 貸金返還請求権について執行力のある債務名義の正本を有する債権者は、第三者からの情報取得手続において、債務者の給与債権に係る情報の提供を求めることができる。

エ 債務者の預貯金債権に関する金融機関からの情報取得手続は、先に財産開示期日における手続が実施されていなければ、申し立てることができない。

オ 第三者からの情報取得手続の申立人は、当該手続において得られた債務者の財産に関する情報を、当該債務者に対する債権をその本旨に従って行使する目的以外の目的のために利用し、又は提供してはならない。

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✓ これが正解4イオ

解説

イとオが正しい。先取特権者も財産開示でき、給与情報は一部の債権者だけ

強制執行の前提として債務者の財産を調べる手続(財産開示手続と第三者からの情報取得手続)について、民事執行法の規定で判断します。

アは誤りです。財産開示手続は、執行力のある債務名義の正本を有する金銭債権の債権者のほか、債務者の財産について一般の先取特権を有することを証する文書を提出した債権者も申し立てることができます。イは正しく、申立人以外でも、債務者に対する金銭債権について執行力のある債務名義の正本を有する債権者は、事件の記録中財産開示期日に関する部分の閲覧をすることができます。ウは誤りです。同法第206条第1項により、市町村や日本年金機構などから給与債権(勤務先)の情報を得られるのは、扶養義務等に係る請求権や、人の生命若しくは身体の侵害による損害賠償請求権について債務名義を有する債権者に限られます。貸金返還請求権では申し立てられません。エは誤りです。預貯金債権の情報取得手続は、財産開示手続を先に経ることを要しません。先に財産開示期日の手続を経る必要があるのは、不動産と給与債権の情報取得手続です。オは正しく、情報取得手続の申立人は、得られた情報を債権をその本旨に従って行使する目的以外の目的のために利用し、又は提供してはなりません。

したがって正しいのはイとオで、イとオを選ぶ組合せが正解です。

給与の情報は養育費や生命・身体の損害賠償の債権者だけ、財産開示を先に経るのは不動産と給与、と二つの縛りを分けて覚えましょう。

ほかの選択肢はなぜ違うのか

出典:令和6年度 司法書士試験 午後の部(法務省)問7(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。

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