令和6年度 午後の部 問8
司法書士法
司法書士法人に関する問題
司法書士又は司法書士法人に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
ア 司法書士は、日本司法書士会連合会が備える名簿に登録を受けることにより、二以上の事務所を設けることができる。
イ 司法書士は、正当な事由がある場合でなければ、簡易裁判所に提出する書類を作成する業務の依頼を拒むことができない。
ウ 司法書士法人は、従たる事務所に社員を常駐させることを要しない。
エ 司法書士法人の社員は、第三者のためにその司法書士法人の業務の範囲に属する業務を行ってはならない。
オ 司法書士法人は、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによって、当該所在地の司法書士会の会員となる。
- 1アウ
- 2アオ
- 3イウ
- 4イエ
- 5エオ
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✓ これが正解1アウ
解説
アとウが誤り。司法書士は事務所を一つだけ、法人は社員を常駐させる
司法書士と司法書士法人の事務所や業務について、司法書士法と司法書士法施行規則の規定で判断します。
アは誤りです。司法書士は二以上の事務所を設けることができないとされており、日本司法書士会連合会の名簿に登録を受けても、事務所を複数持つことはできません。イは正しく、同法第21条により、司法書士は正当な事由がある場合でなければ依頼(簡裁訴訟代理等関係業務に関するものを除く。)を拒むことができません。簡易裁判所に提出する書類の作成は書類作成の業務なので、この除外に当たらず、依頼に応じる義務が及びます。ウは誤りです。同法第39条は、司法書士法人はその事務所に、その所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に設立された司法書士会の会員である社員を常駐させなければならないと定めており、従たる事務所も例外ではありません。エは正しく、司法書士法人の社員は、自己若しくは第三者のためにその法人の業務の範囲に属する業務を行ってはならないとされています(社員の競業の禁止)。オも正しく、司法書士法人は主たる事務所の所在地で設立の登記をすることによって成立し、成立の時にその所在地の司法書士会の会員となります。
したがって誤っているのはアとウで、アとウを選ぶ組合せが正解です。
個人の司法書士は事務所一つ、複数の事務所を持てるのは法人でその代わり各事務所に社員を常駐、とセットで覚えると整理できます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2アオ:アを誤りと見るのはよいものの、エは誤りではありません。法人に属する社員が、ほかの人の依頼で法人と同じ種類の仕事を個別に引き受けることは禁じられています。
- 3イウ:イは正しい記述です。簡易裁判所に出す書類の作成は代理業務ではないので、正当な事由がなければ依頼を断れません。誤りを一つしか含みません。
- 4イエ:イの依頼に応じる義務も、エの社員の競業の禁止も、どちらも正しい規律です。誤っているのは事務所を複数認めるアと常駐を不要とするウです。
- 5エオ:エもオも正しい記述です。オは、法人は主たる事務所の所在地で設立の登記をして成立し、その時に地元の司法書士会の会員となるという内容です。
出典:令和6年度 司法書士試験 午後の部(法務省)問8(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。
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