第37回 問題49
地域福祉と包括的支援体制
事例を読んで,A市社会福祉協議会の地区担当のB職員(社会福祉士)の今後の対応として,適切なものを2つ選びなさい。
〔事 例〕
Cさん(20歳,知的障害)は,特別支援学校を卒業後,市内にある知的障害者通所施設に通っているが,地域の活動にも参加したいと思っている。そこでCさんの両親は,社会福祉協議会が主催する地区の住民懇談会に参加した際に,息子が参加できるような地域活動はないかとBに相談をした。Bは,この地区では高齢化が進み,地域活動の担い手の減少によって継続が困難となっており,商店も人手不足による閉店が増えていると感じている。
- 1Cさんから得意なことや,やってみたいことを聞き,この地区の中で活用できる社会資源を探す。
- 2地域住民に対して,知的障害者に対するサービスを立ち上げるように促す。
- 3Cさんに対して,施設通所を一時休ませて,地域活動に参加するよう助言する。
- 4Cさんに対して,商店の後継者となれるように経営の技術を学んでもらう。
- 5地域活動や商店の状況を把握し,Cさんのような人々の力を生かせる活動を地域住民と考える。
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✓ これが正解1Cさんから得意なことや,やってみたいことを聞き,この地区の中で活用できる社会資源を探す。
✓ これが正解5地域活動や商店の状況を把握し,Cさんのような人々の力を生かせる活動を地域住民と考える。
解説
Cさんの強みと地区の実情をつかみ、住民と力を生かせる活動を考えます。
2つ選ぶ問です。場面は、住民懇談会でCさんの両親から相談を受けた直後で、支援の段階でいえばアセスメント(情報を集めて課題と強みを見立てる段階)にあたります。決め手は二つあります。一つはCさん本人が地域の活動にも参加したいと思っていること、もう一つはBが感じている地区の状況、つまり高齢化で地域活動の担い手が減り、商店も人手不足で閉店が増えていることです。
適切な一つ目は、Cさんから得意なことや、やってみたいことを聞き、この地区の中で活用できる社会資源を探す対応です。本人の希望と強み(ストレングス)を出発点に、参加の場を地域の中に見つけようとしている点が大切です。適切な二つ目は、地域活動や商店の状況を把握し、Cさんのような人々の力を生かせる活動を地域住民と一緒に考える対応です。担い手不足という地域の課題と、地域で役割を持ちたいCさんの願いを結び付ければ、Cさんの参加の場づくりと地域の支え手づくりを同時に進めることができます。
社会福祉協議会の地区担当は、個別の相談を地域全体の課題と結び付け、住民と協働して解決の仕組みをつくる役割を担います。見分け方は、本人の意向を聴く、地域の実情を把握する、住民と協働する、の三つの要素がある対応を選び、本人や住民に一方的に何かをさせる対応を外すことです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2地域住民に対して,知的障害者に対するサービスを立ち上げるように促す。:住民に知的障害者向けのサービスを立ち上げるよう促すのは、Cさんの意向や地域の実情を確かめる前の一方的な働きかけです。担い手不足が進む地区で、住民に新たな負担だけを求める点でも適しません。
- 3Cさんに対して,施設通所を一時休ませて,地域活動に参加するよう助言する。:Cさんは通所施設に通いながら、地域の活動にも参加したいと望んでいます。通所を一時休ませて地域活動に回る助言は、本人の今の生活の土台を崩すうえ、本人の望みにも沿っていません。
- 4Cさんに対して,商店の後継者となれるように経営の技術を学んでもらう。:商店の後継者として経営の技術を学ばせるのは、Cさんの希望を聞く前に役割を決めつける対応です。地区の人手不足という課題を本人に背負わせる形になっており、本人中心の支援とはいえません。
出典:第37回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題49。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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