第38回 問題42
権利擁護を支える法制度
事例を読んで,Aさんの日常生活自立支援事業の利用に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
有料老人ホームで暮らす軽度の認知症のあるAさん(80歳代)は,最近,自ら金銭管理をすることが困難となってきた。有料老人ホームの職員の助言により,Aさんは社会福祉協議会が実施する日常生活自立支援事業の利用を検討している。
- 1Aさんの判断能力の確認には,医師の鑑定書が不可欠である。
- 2Aさんの本事業における支援計画は,社会福祉協議会の生活支援員が作成する。
- 3Aさんの本事業における支援計画に基づく日常的金銭管理は,有料老人ホームの職員に委託できる。
- 4Aさん本人からの申出がなければ,本事業の支援計画を見直すことはできない。
- 5Aさんに対する本事業における支援は,Aさん本人から代理権を授与されたうえで,代理による援助を行うことができる。
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✓ これが正解5Aさんに対する本事業における支援は,Aさん本人から代理権を授与されたうえで,代理による援助を行うことができる。
解説
本人から代理権を授与されれば、代理による援助を行うことができます。
事例の決め手は、軽度の認知症のあるAさんが、自ら金銭管理をすることが難しくなってきたものの、職員の助言を受けて、本人として日常生活自立支援事業の利用を検討している点です。この事業は、判断能力が不十分な人が地域で自立した生活を送れるよう、本人との契約にもとづいて、福祉サービスの利用援助や日常的金銭管理などを行うもので、社会福祉協議会が実施しています。
この事業の援助の方法には、相談・助言や情報提供、本人の手続きへの同行などに加え、本人から代理権を授与されて行う代理による援助があります。契約にもとづいて本人が代理権を与えることで、生活支援員が預金の払い戻しや公共料金の支払いなどを本人に代わって行うことができます。したがって、Aさん本人から代理権を授与されたうえで代理による援助を行うことができるという記述が最も適切です。
ほかの記述は、契約を結ぶ能力の確かめ方、支援計画を作る職員、援助の担い手、支援計画の見直しの時期を取り違えています。
専門員が計画をつくり、生活支援員が実行する、援助は本人との契約と代理権の授与にもとづく、という役割分担で覚えましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1Aさんの判断能力の確認には,医師の鑑定書が不可欠である。:本事業を利用する契約の能力があるかどうかは、契約締結判定ガイドラインなどを用いて社会福祉協議会の専門員が確認します。判断に迷う場合は契約締結審査会の意見を聴く仕組みで、医師の鑑定書が欠かせないわけではありません。
- 2Aさんの本事業における支援計画は,社会福祉協議会の生活支援員が作成する。:本事業で支援計画を作成するのは、社会福祉協議会の専門員です。生活支援員は、専門員が作った支援計画にもとづいて、日常的金銭管理や福祉サービスの利用援助などの具体的な援助を行う職員です。
- 3Aさんの本事業における支援計画に基づく日常的金銭管理は,有料老人ホームの職員に委託できる。:日常的金銭管理などの援助は、本人と契約した社会福祉協議会の生活支援員が行います。利用者が暮らす施設の職員に援助を委託する仕組みはなく、施設とは別の立場の者が援助を担うことが前提です。
- 4Aさん本人からの申出がなければ,本事業の支援計画を見直すことはできない。:支援計画は、本人の状況や希望の変化に応じて、定期的に、また必要に応じて見直されます。専門員が本人の様子を確かめながら見直すもので、本人からの申出がなければ見直せないわけではありません。
出典:第38回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題42。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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