第37回 問題46
地域福祉と包括的支援体制
事例を読んで,A市社会福祉協議会が開催したボランティア養成講座の評価に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
A市社会福祉協議会では,数年間にわたり民間企業との連携によるボランティア活動の活性化を目的として,地域住民向けのボランティア養成講座を開催してきた。ボランティア養成講座は,地元企業や地域住民からの寄付金で運営されており,開催目的に即した効果が得られているかを検証するため,B社会福祉士は,プログラム評価を実施することにした。
- 1講座の内容が,計画どおりに実施されたかを検証するために,効率性評価を実施する。
- 2講座を開催したことにより民間企業との連携によるボランティア活動が活性化しているかどうかを調べるため,アウトカム評価を行う。
- 3講座の運営のために用いた寄付金が結果的に効果的・効率的に執行されたかを明らかにするため,プロセス評価を実施する。
- 4講座のカリキュラム内容が,開催目的と見合った内容であったかを検証するため,インパクト評価を実施する。
- 5ボランティア活動に対する地域住民の意向を明らかにするために,セオリー評価を行う。
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✓ これが正解2講座を開催したことにより民間企業との連携によるボランティア活動が活性化しているかどうかを調べるため,アウトカム評価を行う。
解説
講座による活動の活性化という成果を確かめるのは、アウトカム評価です。
プログラム評価は、事業(プログラム)が目的に照らして役に立っているかを体系的に確かめる方法です。一般に、ニーズ評価(そもそも必要か)、セオリー評価(設計や筋道が妥当か)、プロセス評価(計画どおりに実施されたか)、アウトカム評価(目的とした成果が生じたか。インパクト評価として扱われることもあります)、効率性評価(費用に見合う効果か)という段階に分けて整理されます。
事例では、A市社会福祉協議会が、民間企業との連携によるボランティア活動の活性化を目的として講座を続けてきました。B社会福祉士がプログラム評価を行う理由は、開催目的に即した効果が得られているかを検証するためです。つまり確かめたいのは、講座を開いた結果として、ねらった変化が地域に起きたかどうかです。これは成果を問う評価なので、ボランティア活動が活性化しているかどうかを調べるためにアウトカム評価を行うとする記述が最も適切です。
ほかの記述は、確かめたい中身と評価の名前の組み合わせがずれています。評価の名前を先に見るのではなく、何を確かめたいのか(必要性・設計・実施・成果・費用)を言い当ててから、それに対応する評価を当てはめると見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1講座の内容が,計画どおりに実施されたかを…:講座の内容が計画どおりに実施されたかという実施状況の確認は、プロセス評価で扱います。効率性評価は、かけた費用と得られた効果の釣り合いを見る評価なので、目的と評価の名前がかみ合っていません。
- 3講座の運営のために用いた寄付金が結果的に…:寄付金が効果的・効率的に使われたかという、費用と効果の関係を確かめるのは効率性評価です。プロセス評価は実施の過程を確かめる評価で、お金の使い方の効率を判断するものではありません。
- 4講座のカリキュラム内容が,開催目的と見合…:カリキュラムが開催目的に見合った内容かどうかは、プログラムの設計や筋道を確かめるセオリー評価で扱います。インパクト評価は、実施した結果として生じた変化を測る評価です。
- 5ボランティア活動に対する地域住民の意向を…:地域住民の意向を明らかにするのは、プログラムの必要性を確かめるニーズ評価にあたります。セオリー評価は目的を達成するための設計が妥当かを見る評価で、住民の意向調査とは違います。
出典:第37回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題46。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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