第36回 問題102
ソーシャルワークの理論と方法
事例を読んで,乳児院のG家庭支援専門相談員(社会福祉士)が活用するアセスメントツールに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
一人暮らしのHさんは,慢性疾患による入退院を繰り返しながら出産したが,直後に長期の入院治療が必要となり,息子は乳児院に入所となった。Hさんは2か月前に退院し,職場にも復帰したので,息子と一緒に暮らしたいとGに相談した。ただ,「職場の同僚ともうまくいかず,助けてくれる人もいないので,一人で不安だ」とも話した。そこでGは,引き取りに向けて支援するため,アセスメントツールを活用することにした。
- 1同僚との関係を整理するために,ジェノグラムを作成する。
- 2息子の発育状況を整理するために,エコマップを作成する。
- 3周囲からのサポートを整理するために,エコマップを作成する。
- 4自宅周辺の生活環境を整理するために,ソシオグラムを作成する。
- 5Hさんの病状を整理するために,ソシオグラムを作成する。
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✓ これが正解3周囲からのサポートを整理するために,エコマップを作成する。
解説
周囲からのサポートを整理するにはエコマップを作成します。
この事例は、アセスメントの段階で、目的に合ったマッピングツールを選べるかを問うものです。決め手は、Hさんが職場に復帰し息子と暮らしたいと望む一方で、職場の同僚ともうまくいかず、助けてくれる人もいないので一人で不安だ、と話していることです。引き取りに向けて支援するには、Hさんの周りにどんな人や機関がいて、どの程度支えになっているかを明らかにする必要があります。
エコマップは、ハートマンが考案したとされる図で、本人や家族を中心に置き、親族、友人、職場、医療機関、保育所や行政などの社会資源との関係を、線の種類(強い関係・弱い関係・ストレスのある関係など)で描き表します。本人と環境の関係を一目で見渡せるので、周囲からのサポートの有無や強さ、足りない支えを整理するのに向いています。したがって、周囲からのサポートを整理するためにエコマップを作成する、という記述が最も適切です。
ジェノグラムは家族の世代関係を、ソシオグラムは集団の中の人間関係を表す図です。見分け方は、家族の歴史と構成ならジェノグラム、本人と社会資源の関係ならエコマップ、グループ内の好き嫌いや結びつきならソシオグラム、と描く対象で区別することです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1同僚との関係を整理するために,ジェノグラムを作成する。:ジェノグラムは、3世代程度の家族の構成や婚姻・親子関係を記号で表す家族の図です。職場の同僚との関係を整理する道具ではありません。
- 2息子の発育状況を整理するために,エコマップを作成する。:エコマップは本人と周りの人や社会資源との関係を描く図で、子どもの身長や体重、発達の段階といった発育状況を整理するためのものではありません。
- 4自宅周辺の生活環境を整理するために,ソシオグラムを作成する。:ソシオグラムは、集団の中でメンバー同士がどのように選び合い、結びついているかを表す図です。自宅周辺の地理的な生活環境を整理する道具ではありません。
- 5Hさんの病状を整理するために,ソシオグラムを作成する。:ソシオグラムは集団内の人間関係を表す図で、病気の経過や治療の状況を整理するものではありません。病状の把握は医療機関からの情報などで確かめます。
出典:第36回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題102。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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