第37回 問題70
ソーシャルワークの理論と方法
事例を読んで,保護観察所がAさんの特別調整の協力を求めた機関について,最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Aさん(84歳)は,来月で6回目の刑期を終える。Aさんは帰る先もなく,頼れる人もいない。Aさんは「帰るところも探せないし,お金もない」と話しており,特別調整を希望している。矯正施設では,福祉専門官がAさんと面談し本人の意向を確かめた結果,特別調整対象者として判断したため,保護観察所に通知した。保護観察所長は,Aさんの状況を確認するために特別調整協力の依頼を求めることにした。
- 1地域生活定着支援センター
- 2養護老人ホーム
- 3更生保護施設
- 4障害者支援施設
- 5福祉事務所
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✓ これが正解1地域生活定着支援センター
解説
保護観察所が特別調整の協力を求める先は、地域生活定着支援センターです。
特別調整は、高齢や障害のために自立が難しく、帰る先のない矯正施設の入所者について、釈放後すぐに福祉サービスなどを受けられるよう、保護観察所が中心となって調整する仕組みです。矯正施設が対象者を選定して保護観察所に通知し、保護観察所が帰住先や福祉サービスの調整を行います。事例の決め手は、84歳で帰る先も頼れる人もないAさんが特別調整を希望し、矯正施設の福祉専門官が特別調整の対象者と判断して保護観察所に通知したことです。
保護観察所の長が特別調整の協力を依頼する相手は、地域生活定着支援センターです。このセンターは、厚生労働省の地域生活定着促進事業により各都道府県に設置されており、矯正施設に入所中から退所後まで、福祉サービスの利用調整や受入先の確保、退所後のフォローアップや相談支援を行います。したがって、地域生活定着支援センターが最も適切です。
ほかの施設や機関は、特別調整の結果として受け入れ先や支援の担い手になることはあっても、保護観察所が特別調整の協力を求める窓口ではありません。見分け方は、矯正施設(選定と通知)、保護観察所(調整の中心)、地域生活定着支援センター(福祉の側の調整役)という流れで覚えることです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2養護老人ホーム:養護老人ホームは、環境上・経済的な理由で自宅での生活が難しい高齢者を市町村の措置で受け入れる施設です。Aさんの受け入れ先の候補にはなりえますが、特別調整の協力を求める相手ではありません。
- 3更生保護施設:更生保護施設は、帰る先のない出所者などに宿泊場所や食事を提供し、自立を支える施設です。一時的な帰住先にはなりますが、福祉サービスにつなぐ特別調整の協力機関として位置付けられているものではありません。
- 4障害者支援施設:障害者支援施設は、障害のある人に施設入所支援などを行う施設です。事例のAさんに障害があるとは示されておらず、保護観察所が特別調整の協力を求める機関でもありません。
- 5福祉事務所:福祉事務所は、生活保護や老人福祉の措置などを行う行政機関で、調整の過程で手続の窓口になることはあります。ただし保護観察所が特別調整の協力を依頼する専門の機関は、別に設けられています。
出典:第37回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題70。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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