第38回 問題71
ソーシャルワークの理論と方法
ハートマン(Hartman, A.)によって開発されたエコマップに関する次の記述のうち,適切なものを2つ選びなさい。
- 1クライエントを含む生態系システムとその境界を可視化することができる。
- 2介入前後の変化を確認するツールとして活用できる。
- 3関係性を強く示す線は,破線で記すことで関係性の濃淡を視覚的に捉えられる。
- 4クライエントの状態をいくつかの典型例に分類することで,クライエントのニーズを把握できる。
- 5これまでの複雑な家族ダイナミクスの展開を理解することができる。
答えと解説を見る
✓ これが正解1クライエントを含む生態系システムとその境界を可視化することができる。
✓ これが正解2介入前後の変化を確認するツールとして活用できる。
解説
エコマップは生態系と境界を可視化し、介入前後の変化の確認にも使えます。
この問は、ハートマンが開発したエコマップの特徴を問うものです。エコマップが何を描く道具で、どんな場面で使えるのかを押さえているかが判断の軸です。この問は適切なものを2つ選ぶ問です。
1つ目は、クライエントを含む生態系システムとその境界を可視化できるという記述です。エコマップは、中心にクライエントや家族を置き、その周りに親族、友人、職場、学校、医療機関、福祉サービスなどを配置して、それぞれとの関係を線で結んで描きます。クライエントがどんな人や機関とつながり、どこに支えや緊張があり、どこが途切れているかを一枚の図で示せるため、本人と支援者が状況を共有しやすくなります。
2つ目は、介入前後の変化を確認するツールとして活用できるという記述です。支援を始める前と、一定期間支援した後にそれぞれエコマップを描いて比べると、新たにつながった社会資源や、弱まった関係、強まった関係が目に見えるようになります。支援の効果を本人と一緒に振り返る材料にもなります。
エコマップは今の時点の人と環境のつながりを描く図、と押さえておくと、家族の歴史や類型化を扱う別の道具と区別しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 3関係性を強く示す線は,破線で記すことで関係性の濃淡を視覚的に捉えられる。:エコマップでは、強い関係は太い線で、弱い関係は点線や破線で表すのが一般的です。関係性を強く示す線を破線で描くという記述は、線の使い分けを取り違えています。
- 4クライエントの状態をいくつかの典型例に分類することで,クライエントのニーズを把握できる。:エコマップは、クライエントと環境とのつながりを図として描く道具です。クライエントの状態をいくつかの典型例に分類してニーズを把握する方法ではありません。
- 5これまでの複雑な家族ダイナミクスの展開を理解することができる。:エコマップは、ある時点での人と環境のつながりを示すものです。世代をまたいだ複雑な家族の関係の展開を理解するには、家族の構成と歴史を記号で描く家系図型の別の図が用いられます。
出典:第38回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題71。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
同じ用語が出る問題
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)