第36回 問題103
ソーシャルワークの理論と方法
ソーシャルワークのプランニングにおける,目標の設定とクライエントの意欲に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1ソーシャルワーカーが,独自の判断で高い目標を設定すると,クライエントの意欲は高まる。
- 2クライエントが自分でもできそうだと思う目標を段階的に設定すると,クライエントの意欲は低下する。
- 3クライエントが具体的に何をすべきかがわかる目標を設定すると,クライエントの意欲が高まる。
- 4クライエントにとって興味がある目標を設定すると,クライエントの意欲は低下する。
- 5最終的に実現したい生活像とは切り離して目標を設定すると,クライエントの意欲が高まる。
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✓ これが正解3クライエントが具体的に何をすべきかがわかる目標を設定すると,クライエントの意欲が高まる。
解説
何をすべきか具体的にわかる目標は、クライエントの意欲を高めます。
この問は、プランニング(支援計画の作成)の段階で、どのような目標を立てるとクライエントが取り組む意欲を持てるかという、目標設定の基本で判断します。目標は、クライエントがその達成に向けて自分で動けるものでなければ意味がありません。そのためには、目標がクライエント自身の望む生活とつながっていること、クライエントと一緒に話し合って決めること、何をすればよいかが具体的にわかること、少し努力すれば届く現実的な大きさであること、が大切です。
目標がばくぜんとしていると、クライエントは何から始めればよいかわからず、行動に移しにくくなります。反対に、何を、いつまでに、どのくらいするのかがわかる具体的な目標は、取り組みの見通しを与え、達成したかどうかも確かめやすいので、意欲を引き出します。したがって、クライエントが具体的に何をすべきかがわかる目標を設定すると意欲が高まる、という記述が最も適切です。
ほかの記述は、ワーカー主導の高すぎる目標、段階的な目標、興味のある目標、望む生活と切り離した目標について、意欲への影響を逆に述べています。覚え方は、本人と一緒に、本人の望む生活につながる、具体的で段階的な目標を立てる、と押さえることです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1ソーシャルワーカーが,独自の判断で高い目標を設定すると,クライエントの意欲は高まる。:ソーシャルワーカーが一人で高い目標を決めると、クライエントには自分の目標と感じられず、達成できない不安からかえって意欲が下がりやすくなります。目標は本人と一緒に決めます。
- 2クライエントが自分でもできそうだと思う目標を段階的に設定すると,クライエントの意欲は低下する。:自分でもできそうだと思える目標を段階的に積み重ねると、小さな成功体験が自信につながり、意欲は高まります。意欲が低下するとする記述は逆です。
- 4クライエントにとって興味がある目標を設定すると,クライエントの意欲は低下する。:本人が興味や関心をもてる目標は、取り組む動機になるので意欲を高めます。興味がある目標で意欲が低下するという説明は、目標設定の考え方と反対です。
- 5最終的に実現したい生活像とは切り離して目標を設定すると,クライエントの意欲が高まる。:目標は、クライエントが最終的に実現したい生活像につながっていてこそ、取り組む意味が感じられます。望む生活と切り離した目標では、意欲は高まりにくくなります。
出典:第36回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題103。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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