第36回 問題44
地域福祉と包括的支援体制
地方公共団体の事務に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
- 1地方公共団体の事務は,自治事務,法定受託事務,団体委任事務,機関委任事務の4つに分類される。
- 2児童扶養手当の給付事務は,自治事務である。
- 3社会福祉法人の認可事務は,法定受託事務である。
- 4生活保護の決定事務は,団体委任事務である。
- 5児童福祉施設の監査事務は,機関委任事務である。
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✓ これが正解3社会福祉法人の認可事務は,法定受託事務である。
解説
社会福祉法人の認可事務は、法定受託事務に区分されています。
判断の軸は、2000年施行のいわゆる地方分権一括法による地方公共団体の事務の区分です。それ以前は、国の事務を知事や市町村長に国の機関として執行させる機関委任事務や、法律で地方公共団体に委ねる団体委任事務などがありました。改革で機関委任事務は廃止され、現在の地方自治法では、地方公共団体の事務は自治事務と法定受託事務の二つに整理されています。
法定受託事務(第1号)は、地方公共団体が処理する事務のうち、国が本来果たすべき役割に係るもので、国においてその適正な処理を特に確保する必要があるとして法律や政令で特に定めたものです。自治事務は、法定受託事務以外のすべての事務をいいます。社会福祉法人の設立などの認可は、全国で同じ基準に従って法人格を与える事務であり、法定受託事務に区分されています。同じように、全国一律の最低生活保障や所得保障に関わる生活保護の決定や児童扶養手当の支給の事務も、法定受託事務の例として押さえておきましょう。
見分け方は、区分が二つしかないことをまず確かめ、そのうえで国の責任で全国一律に行うべき事務かどうかを考えることです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1地方公共団体の事務は,自治事務,法定受託事務,団体委任事務,機関委任事務の4つに分類される。:団体委任事務と機関委任事務は、地方分権一括法の施行前に使われていた区分です。現在は自治事務と法定受託事務の二つに整理されており、四つに分類されるわけではありません。
- 2児童扶養手当の給付事務は,自治事務である。:児童扶養手当の支給の事務は、国が全国一律の基準で行うべきひとり親家庭への所得保障に関わるため、法定受託事務とされています。自治事務に当たるという記述は誤りです。
- 4生活保護の決定事務は,団体委任事務である。:団体委任事務という区分は今はありません。生活保護の決定と実施は、憲法の生存権の保障を国の責任で全国一律に行う事務として、法定受託事務とされています。
- 5児童福祉施設の監査事務は,機関委任事務である。:機関委任事務は地方分権一括法によって廃止された区分であり、現在の事務の区分にはありません。児童福祉施設の監査の事務をこの区分に当てはめる記述は成り立ちません。
出典:第36回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題44。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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