第59回 午前 問50
臨床医学
非ステロイド性抗炎症薬の問題
非ステロイド性抗炎症薬〈NSAIDs〉の副作用で正しいのはどれか。
- 1胃潰瘍
- 2骨粗鬆症
- 3多幸感
- 4中心性肥満
- 5低血糖
答えと解説を見る
✓ これが正解1胃潰瘍
解説
NSAIDsは胃の粘膜を守る物質を減らすため、胃潰瘍を起こしやすくします。
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、痛みや炎症、発熱を抑える薬で、関節の痛みなどでよく使われます。シクロオキシゲナーゼ(COX)という酵素の働きを妨げて、炎症や痛みを引き起こすプロスタグランジンという物質がつくられるのを抑えることで効果を出します。
ところが、プロスタグランジンには、胃の粘膜の血流を保ち、胃酸から粘膜を守る働きもあります。NSAIDsでこの物質が減ると、胃の粘膜の守りが弱まり、胃潰瘍などの消化性潰瘍が起こりやすくなります。これがNSAIDsの代表的な副作用で、正しいものです。腎臓の血流が減って腎機能が悪くなることもあります。
ほかの副作用は、骨がもろくなる、気分が高ぶる、体の中心に脂肪がつく、といった、副腎皮質ステロイド薬で知られている副作用です。低血糖は、ステロイド薬ならむしろ逆に血糖を上げる方向です。覚え方は、NSAIDsは胃と腎臓、ステロイドは骨・血糖・脂肪のつき方・気分・感染、と薬ごとに副作用の顔ぶれを分けておくことです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2骨粗鬆症:骨粗鬆症は、副腎皮質ステロイド薬を長く使ったときの代表的な副作用です。ステロイド薬は骨をつくる働きを弱めますが、NSAIDsの代表的な副作用には当たりません。
- 3多幸感:多幸感は、気分が不自然に高ぶる状態で、副腎皮質ステロイド薬の精神面の副作用として知られています。NSAIDsの代表的な副作用ではありません。
- 4中心性肥満:中心性肥満は、顔や体幹に脂肪がつき手足は細いままになる体型の変化で、副腎皮質ステロイド薬の副作用として知られています。NSAIDsで起こる副作用ではありません。
- 5低血糖:NSAIDsの代表的な副作用に低血糖は含まれません。混同しやすい副腎皮質ステロイド薬は、むしろ血糖を上げて糖尿病を悪くする方向に働きます。
出典:第59回 理学療法士国家試験 午前(厚生労働省)問50(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)