第59回 午前 問49
理学療法治療学
間質性肺疾患患者に対する理学療法で最も適切なのはどれか。
- 1体位排痰法を指導する。
- 2吸気筋トレーニングを指導する。
- 3上肢の筋力増強運動は行わない。
- 4神経筋電気刺激療法は行わない。
- 5有酸素運動はSpO2 60%を目標に実施する。
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✓ これが正解2吸気筋トレーニングを指導する。
解説
間質性肺疾患では、吸気筋トレーニングで呼吸筋の働きを助けます。
間質性肺疾患は、肺胞の壁など肺の間質に炎症や線維化が起こり、肺が硬く膨らみにくくなる病気です。肺が広がりにくいので、息を吸うのに大きな力が必要になり、少し動いただけで息切れや酸素飽和度の低下が起こりやすくなります。一方で、痰が多い病気ではない点が、慢性閉塞性肺疾患などとの違いです。
吸気筋トレーニングは、息を吸うときに抵抗をかける器具などを使って、横隔膜などの吸気筋を鍛える方法です。硬い肺を広げるために呼吸筋の負担が大きい間質性肺疾患では、吸気筋の力を高めることで息切れの軽減をねらう方法として用いられます。選択肢の中では、これが最も適切な指導です。
ほかの記述は、痰の少ない病気に排痰を中心にする、行うべき運動や電気刺激を控える、酸素飽和度の目標を危険な値に置く、のどれかで適切ではありません。覚え方は、間質性肺疾患は痰より息切れと酸素の低下が問題、運動は酸素飽和度を見ながら下げすぎない範囲で行う、と押さえておくことです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1体位排痰法を指導する。:体位排痰法は、痰がたまった肺の部分を上にして重力で痰を出しやすくする方法です。間質性肺疾患は痰が多い病気ではないので、指導の中心にする方法ではありません。
- 3上肢の筋力増強運動は行わない。:上肢の筋力増強運動は、腕を使う日常の動作で息切れしにくくするために、呼吸リハビリテーションの中で行われます。間質性肺疾患だからといって行わない理由はありません。
- 4神経筋電気刺激療法は行わない。:神経筋電気刺激療法は、息切れが強くて自分で十分に運動できない患者の筋力を保つ方法として、呼吸器の病気でも用いられます。一律に行わないとする理由はありません。
- 5有酸素運動はSpO2 60%を目標に実施する。:酸素飽和度が60%まで下がるのは、体の組織に酸素が届かない危険な状態です。運動中は酸素飽和度を見ながら、大きく低下しない範囲で行い、必要に応じて酸素を使います。
出典:第59回 理学療法士国家試験 午前(厚生労働省)問49(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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