第112回 午前 問51
公衆衛生看護管理論
国保データベース〈KDB〉の問題
次の文を読み51~53の問いに答えよ。
A市の国民健康保険を担当する保健師は、加入者の平均年齢が上昇していることを把握したため、データヘルス計画を見直すこととした。
データヘルス計画の見直しにあたり、国保データベース〈KDB〉で把握するもので優先度が高い指標はどれか。
- 1介護給付費
- 2難病の医療費
- 3新規要介護認定者数
- 4特定保健指導実施率
- 5特定健康診査結果の有所見率
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✓ これが正解3新規要介護認定者数
解説
加入者の高齢化を踏まえ、KDBで新規要介護認定者数を把握します。
データヘルス計画は、医療保険者が健康診査やレセプト(診療報酬明細書)などのデータを分析し、加入者の健康課題に合った保健事業を計画・評価するものです。国保データベース〈KDB〉は、健康診査、医療、介護のデータをつなげて分析できる仕組みで、地域の健康課題を医療と介護の両面から把握できる点が特徴です。
A市の国民健康保険では加入者の平均年齢が上昇しています。高齢の加入者が増えると、生活習慣病の重症化などによって介護が必要になる人が増えることが予想されます。新規要介護認定者数を把握し、その原因となった疾患や健診・医療の状況と結びつけて分析すれば、重症化予防や介護予防に向けた保健事業を見直す手がかりになります。介護給付費は費用の総額で課題の中身が見えにくく、難病の医療費は高齢化との結びつきが弱い指標です。特定保健指導の実施率や有所見率は、40〜74歳を対象とした特定健康診査の指標で、高齢化の影響を捉えるには十分ではありません。
したがって、新規要介護認定者数が優先度の高い指標です。KDBは医療と介護のデータをつなげて見られることが強み、と押さえておくと選びやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1介護給付費:介護給付費は介護保険から支払われた費用の総額で、どのような人がなぜ介護を必要としているのかは分かりません。保健事業の見直しの手がかりとしては、新たに要介護となった人の把握が先です。
- 2難病の医療費:難病の医療費は、加入者の平均年齢の上昇と直接結びつく指標ではありません。高齢化に伴う健康課題を捉えるには、介護が必要になる人の動きを把握するほうが適しています。
- 4特定保健指導実施率:特定保健指導の実施率は、40〜74歳を対象とする特定健康診査後の指導の実施状況を示す指標です。保健事業の評価には使えますが、加入者の高齢化による影響を捉えるには向きません。
- 5特定健康診査結果の有所見率:特定健康診査結果の有所見率は、40〜74歳の健診受診者の健康状態を示す指標です。大切な情報ですが、高齢化によって介護が必要になる人の増え方は、この指標からは分かりません。
出典:第112回 保健師国家試験 午前(厚生労働省)問51(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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