第110回 午前 問53
公衆衛生看護管理論
避難所と①~③の組合せで正しいの
次の文を読み52、53の問いに答えよ。
人口5万人のA市には高齢者が多い地域があり、災害が発生した場合に自ら避難することが困難な住民が多数発生することが懸念されている。A市では以前に避難行動要支援者の名簿を作成し、個別避難計画の作成も進んでいるが、その後に市内で転居した住民も多く、新たに障害や難病の認定を受けた住民も少なくない。このため、改めて住民の実態を確認して災害に備えることにした。
平日の昼の時間帯にA市を震源とする地震が発生し、家屋に被害を受けた住民は地域のB避難所、C避難所、D避難所へ避難した。3つの避難所は地域の学校の体育館を使用しており、広さは同程度で、避難者に年齢の偏りはないが、B避難所には収容人数の上限に近い避難者がいる。C避難所とD避難所の避難者数はいずれもB避難所の半数程度であるが、C避難所では当初、トイレの約7割が故障して仮設トイレの増設まで2日を要した。発災5日目、避難所によっては、発熱、咳、下痢、嘔吐等の症状を訴える人が増加した。避難後に出現した症状ごとの有症者数の累計の表を以下に示す。B避難所、C避難所、D避難所と①~③の組合せで正しいのはどれか。
| 避難所 | 発 熱 | 咳 | 下 痢 | 嘔 吐 |
|---|---|---|---|---|
| ① | 1 | 0 | 1 | 0 |
| ② | 25 | 10 | 0 | 1 |
| ③ | 11 | 1 | 24 | 15 |
① ② ③
- 1B D C
- 2C B D
- 3C D B
- 4D B C
- 5D C B
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✓ これが正解4D B C
解説
症状の少ない①はD、呼吸器症状の②は過密なB、消化器症状の③はCです。
避難所で起こる感染症は、避難所の環境によって種類が変わります。この問では、3つの避難所の環境の違いと、症状の表を結びつけて判断します。
B避難所は、収容人数の上限に近い避難者がいて、人と人の距離が近い過密な状態です。このような環境では、飛沫などで広がる呼吸器の感染症が起こりやすく、発熱25人、咳10人と呼吸器の症状が多い②がB避難所と考えられます。C避難所は、トイレの約7割が故障し、仮設トイレの増設まで2日かかりました。トイレが不足すると手洗いや排泄物の処理が十分にできず、便を介して広がる感染性胃腸炎が起こりやすくなります。下痢24人、嘔吐15人と消化器の症状が多い③がC避難所です。D避難所は避難者数がB避難所の半数程度で、トイレの問題も示されていないため、有症者がほとんどいない①がD避難所にあたります。
したがって、①がD、②がB、③がCの組合せが正しいものです。ほかの組合せは、過密と呼吸器症状、トイレの不足と消化器症状という対応のどこかがずれています。
避難所の感染症対策では、過密なら呼吸器の感染症、トイレや水の不足なら消化器の感染症を疑う、と覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1B D C:①を最も混み合うB避難所とする組合せですが、①は有症者がほとんどいません。また呼吸器の症状が目立つ②を、混雑していないD避難所としている点も状況と合いません。
- 2C B D:①をトイレが故障したC避難所としていますが、①には下痢や嘔吐の症状がほとんどありません。消化器の症状が多い③を、トイレに問題のないD避難所としている点も合いません。
- 3C D B:トイレが故障したC避難所を有症者の少ない①に、過密なB避難所を消化器症状の多い③に当てています。避難所の環境と症状の種類の対応が、どちらも逆になっています。
- 5D C B:①をDとした点は合っていますが、トイレが不足したC避難所を呼吸器症状の多い②に、過密なB避難所を下痢や嘔吐の多い③に当てており、環境と症状の結びつきが入れ替わっています。
出典:第110回 保健師国家試験 午前(厚生労働省)問53(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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