第110回 午後 問53
公衆衛生看護管理論
1歳6か月児健康診査に関する問題
次の文を読み53、54の問いに答えよ。
A市で実施している1歳6か月児健康診査では、「経過観察」の割合が年々増加している。そこで、経過観察となった親子を対象に、県と連携して新規事業の立ち上げを検討することにした。
最初に取り組むのはどれか。
- 1新規事業のプログラムの検討
- 2事業の運営に携わるスタッフの選定
- 31歳6か月児健康診査で経過観察と判断した理由の分析
- 4乳幼児を持つ母親への困りごとに関するアンケート調査の実施
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✓ これが正解31歳6か月児健康診査で経過観察と判断した理由の分析
解説
新規事業の前に、経過観察と判断した理由を分析します。
新しい事業を立ち上げるときは、計画、実施、評価、改善という流れ(PDCAサイクル)のうち、計画の最初の段階として、現状を分析して課題をはっきりさせることから始めます。課題の中身が分からないまま事業の形を決めると、本当に必要な支援とずれてしまうからです。
A市の1歳6か月児健康診査では、経過観察と判断される割合が年々増えています。決め手は、増えているという事実は分かっていても、どのような理由で経過観察と判断されているのかがまだ分かっていない点です。ことばの遅れなのか、運動発達なのか、親子の関わりや育児の不安なのかによって、必要な事業の内容は大きく変わります。健診の記録をもとに判断した理由を分析すれば、対象とすべき親子の特徴と支援の方向が見えてきます。したがって、経過観察と判断した理由の分析が最初に取り組むことです。プログラムの検討やスタッフの選定は課題が明らかになってから行うもので、母親全体へのアンケートは対象が広すぎて、経過観察となった親子の課題を直接つかめません。
事業化の最初の一歩は、手元のデータから課題の中身を明らかにすること、と覚えておくと判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1新規事業のプログラムの検討:新規事業のプログラムは、経過観察となった親子がどのような課題を抱えているかが分かってから組み立てるものです。理由を分析しないまま内容を決めると、必要な支援とずれた事業になるおそれがあります。
- 2事業の運営に携わるスタッフの選定:事業の運営に携わるスタッフは、事業の内容や必要な専門性が決まってから選ぶものです。どのような支援が必要かがまだ分かっていない段階で人を選んでも、事業の目的に合った体制はつくれません。
- 4乳幼児を持つ母親への困りごとに関するアンケート調査の実施:乳幼児のいる母親すべてに困りごとを尋ねる調査は、手間と時間がかかるわりに、健診で引っかかった親子の事情とは焦点が合いません。すでに市が持っている健診のデータを読み解くほうが早く確実です。
出典:第110回 保健師国家試験 午後(厚生労働省)問53(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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