第111回 午前 問13
公衆衛生看護活動展開論
ノロウイルスに関する問題
Aさん(女児、小学3年生)は、昨日の給食後にトイレで嘔吐したため、早退した。今朝、Aさんの保護者から「病院を受診したところ、ノロウイルスによる感染性胃腸炎と診断された」と連絡があった。このときの校内での感染拡大防止対策で優先度が高いのはどれか。
- 1児童全員の健康観察を実施する。
- 2Aさんが在籍するクラスを臨時休業にする。
- 3保護者に保健だよりで感染症予防の指導を行う。
- 4教職員を対象にした吐物の処理方法の研修会を行う。
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✓ これが正解1児童全員の健康観察を実施する。
解説
まず児童全員の健康観察で、同様の症状がある児童を把握します。
ノロウイルスは少量のウイルスでも感染し、吐物や便を通じて広がりやすい病原体です。Aさんは昨日の給食後に校内のトイレで嘔吐しており、その場に居合わせた児童や同じ給食を食べた児童の中に、すでに感染している人がいる可能性があります。
感染拡大防止でまず必要なのは、ほかに同じような症状のある児童がいないか、欠席者の理由は何かを把握して、流行の広がりを確かめることです。学校では学級担任などが毎朝の健康観察で児童の体調を確認する仕組みがあり、これを全児童に丁寧に行えば、発症した児童の早期発見と、受診や出席停止などの対応につなげられます。したがって、児童全員の健康観察の実施が優先度の高い対応です。
研修会、保健だより、臨時休業は、状況を把握したうえで判断し実施する対策です。感染症の発生が1人確認された場面では、まず実態の把握から始める、という順序を覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2Aさんが在籍するクラスを臨時休業にする。:臨時休業は、感染の広がりの程度をふまえて学校の設置者が判断する措置です。発症が1人確認された段階で、ほかの児童の状況を確かめる前にクラスを休業にするのは早すぎます。
- 3保護者に保健だよりで感染症予防の指導を行う。:保健だよりによる家庭への予防の呼びかけは大切ですが、すぐに効果が現れる対策ではありません。今の段階では、校内で発症者が広がっていないかを確かめることが先になります。
- 4教職員を対象にした吐物の処理方法の研修会を行う。:吐物処理の研修は今後の備えとして役立ちますが、研修会の準備や開催には時間がかかります。発生直後の対応としては、ほかの児童の健康状態を把握するほうが急がれます。
出典:第111回 保健師国家試験 午前(厚生労働省)問13(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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