第110回 午前 問8
公衆衛生看護活動展開論
A市では、精神障害者が可能な限り住み慣れた地域で本人の意向に沿った生活を送ることができるよう、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を推進している。評価の指標で適切なのはどれか。
- 1医療保護入院の件数
- 2精神保健指定医の数
- 3精神病床の平均在院日数
- 4精神障害者保健福祉手帳の申請者数
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✓ これが正解3精神病床の平均在院日数
解説
地域で暮らせているかを映す精神病床の平均在院日数が評価に適します。
精神障害にも対応した地域包括ケアシステムは、精神障害のある人が、入院が長引くことなく、医療、障害福祉・介護、住まい、社会参加、地域の助け合いなどが包括的に確保された中で、住み慣れた地域で暮らせるようにする仕組みです。評価の指標には、この目的がどれだけ達成されたかを表す数値を選びます。
精神病床の平均在院日数は、入院した人がどれだけの期間で退院し地域生活へ戻れているかを反映する指標です。地域の受け皿が整い、退院後の生活を支える仕組みが機能すれば、入院の長期化が減り、在院日数は短くなっていきます。地域移行の進み具合をみる成果の指標として適切です。
一方、医療保護入院の件数は、本人の同意によらない入院がどれだけあったかを示す数で、地域で暮らせているかを直接示すものではありません。精神保健指定医の数は医療側の体制の数で、手帳の申請者数は制度の利用の動きを示す数です。いずれも本人の地域生活の実現という目的の達成度を表していません。
評価の指標を選ぶときは、施策の目的がそのまま数字に表れるものはどれか、と考えると選びやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1医療保護入院の件数:医療保護入院の件数は、入院の必要があるときに家族等の同意で行われた入院の数です。入院の手続きの実績であり、本人が地域で暮らし続けられているかという目的の達成度を直接示しません。
- 2精神保健指定医の数:精神保健指定医の数は、措置入院などの判定に関わる医師の体制を示す数です。医療側の資源の量であって、精神障害者が地域で暮らせているかという成果を測る物差しにはなりません。
- 4精神障害者保健福祉手帳の申請者数:手帳の申請者数は、障害の認定や制度の利用がどれだけ進んだかを示す数です。申請が増えても、本人が退院して地域で暮らせているかどうかは分からないので、目的の評価には向きません。
出典:第110回 保健師国家試験 午前(厚生労働省)問8(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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