第111回 午前 問12
公衆衛生看護活動展開論
フッ化物洗口に関する問題
A市では12歳でう蝕がある児の割合が全国と比べ高いことから、市の保健師と教育委員会の学校保健担当者が連携して、学校でのフッ化物洗口事業を開始することになった。事業内容で適切なのはどれか。
- 1中学生を対象とする。
- 2う蝕のある子どもを対象とする。
- 3並行してブラッシング指導を実施する。
- 4学校歯科医の診断結果で実施の可否を判断する。
答えと解説を見る
✓ これが正解3並行してブラッシング指導を実施する。
解説
フッ化物洗口とあわせて、ブラッシング指導を並行して行うのが適切です。
フッ化物洗口は、フッ化物を含む液でぶくぶくうがいをして歯の表面を強くし、う蝕(むし歯)を予防する方法です。学校などで集団で行うと、家庭の状況にかかわらず多くの子どもに予防の効果を届けられる、集団全体に働きかける予防の代表的な手段です。
ただし、う蝕の予防はフッ化物だけで完結するものではなく、歯みがきで歯垢を取り除く習慣や、間食のとり方などの生活習慣とあわせることで効果が高まります。洗口の事業を始める機会にブラッシング指導を並行して行えば、子どもが自分の歯を守る力を育てることにもつながります。したがって、並行してブラッシング指導を実施するという記述が適切です。
フッ化物洗口は、う蝕の有無を問わず対象の集団全体に、保護者の希望を確かめたうえで実施するのが基本です。対象を絞る記述や、個別の診断を条件にする記述は、集団で予防する事業の考え方と合いません。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1中学生を対象とする。:フッ化物洗口は永久歯が生えはじめる時期から続けるほど効果が高いとされ、幼児期から中学生までの幅広い年齢で行われます。12歳のう蝕を減らしたいのに中学生から始めるのでは遅すぎます。
- 2う蝕のある子どもを対象とする。:洗口はう蝕を予防するための方法なので、まだう蝕のない子どもも含めて集団全体で行うことに意味があります。う蝕のある子どもだけに絞ると、予防という事業の目的に合いません。
- 4学校歯科医の診断結果で実施の可否を判断する。:集団でのフッ化物洗口は、学校歯科医の診断で一人ずつ可否を決めるのではなく、保護者の希望を確認したうえで実施するのが一般的です。診断を前提にすると、事業として広く展開しにくくなります。
出典:第111回 保健師国家試験 午前(厚生労働省)問12(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)