第109回 午前 問30
疫学
生態学的研究に関する問題
生態学的研究で、都道府県別の1人当たりの1日の歩数とBMIの平均値との関連の程度を評価するために計算するのはどれか。
- 1罹患率
- 2オッズ比
- 3寄与危険
- 4相関係数
- 5相対頻度
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✓ これが正解4相関係数
解説
都道府県別の歩数とBMIの関連の程度は、相関係数で評価します。
生態学的研究は、個人ではなく、都道府県や国などの集団を単位として、集団ごとの要因の値と健康指標の値の関係を調べる研究です。2つの量の関係をどの指標で表すかが判断の軸です。
設問では、都道府県ごとに1人当たりの1日の歩数の平均とBMIの平均値という、2つの連続した数量が得られています。2つの数量が一緒に増えたり減ったりする直線的な関係の強さを表すのが相関係数で、マイナス1からプラス1の範囲の値をとり、0に近いほど関連が弱いことを示します。したがって、関連の程度を評価するために計算するのは相関係数です。
ほかの指標は、個人を追跡したデータや、曝露の有無で分けた2群の比較を前提にするものです。罹患率は一定期間の新しい発生の頻度、オッズ比は症例対照研究などで曝露と疾病の関連を表す比、寄与危険は曝露群と非曝露群の罹患率の差、相対頻度は総数に占める割合です。
注意点として、生態学的研究で得た相関は集団単位の関係であり、個人に当てはめると誤った結論になることがあります(生態学的錯誤)。集団の数量どうしの関係は相関係数と覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1罹患率:罹患率は、観察期間に新たに病気になった人の数を、観察した人の人数と期間で割った発生の速さの指標です。歩数とBMIという2つの数量の関連の程度を表すものではありません。
- 2オッズ比:オッズ比は、症例対照研究などで、病気の有無で分けた群の曝露のオッズを比べて関連の強さを表す指標です。都道府県ごとの平均値どうしの関係を表す目的には使いません。
- 3寄与危険:寄与危険は、曝露群の罹患率から非曝露群の罹患率を引いた差で、曝露によって増えた罹患の大きさを示します。2つの連続した数量の関連の程度を表す指標ではありません。
- 5相対頻度:相対頻度は、疾病や死亡の総数のうち特定の原因が占める割合を示す指標です。歩数とBMIの平均値のような、2つの数量がどれだけ連動するかを表す指標ではありません。
出典:第109回 保健師国家試験 午前(厚生労働省)問30(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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