第111回 午前 問28
疫学
分析疫学の検討内容
観察研究における分析疫学の検討内容はどれか。
- 1喫煙習慣と運動習慣との関係
- 2市区町村ごとのワクチン接種率
- 3食中毒の発生件数と季節との関係
- 4適正体重の維持と心疾患の発症との関係
- 5ランダム化比較試験〈RCT〉による新薬の効果
答えと解説を見る
✓ これが正解4適正体重の維持と心疾患の発症との関係
解説
要因と疾病の発生の関連を調べることが分析疫学の検討内容です。
疫学研究は、研究者が介入するかどうかで観察研究と介入研究に分かれます。観察研究はさらに、病気の分布を人・場所・時間の面から記述して仮説を立てる記述疫学と、仮説として挙げた要因(曝露)と病気の発生との関連を検証する分析疫学に分けられます。分析疫学の代表がコホート研究と症例対照研究です。
適正体重を維持していること(要因)と、心疾患を発症すること(結果)との関係を調べるのは、特定の要因が病気の発生にどう関わるかを、比べる群を設けて検証する内容です。たとえば体重が適正な群とそうでない群を追跡して心疾患の発症を比べれば、コホート研究になります。したがって、適正体重の維持と心疾患の発症との関係が分析疫学の検討内容です。
地域ごとの接種率や季節ごとの発生件数は、分布を描き出す記述疫学の内容です。要因と病気の発生が対になっているか、研究者が介入しているか、の2点で見分けましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1喫煙習慣と運動習慣との関係:喫煙習慣と運動習慣は、どちらも生活習慣という行動の特徴です。病気の発生という結果と、その要因との関連を調べる組合せになっていないので、分析疫学の典型的な検討内容とはいえません。
- 2市区町村ごとのワクチン接種率:市区町村ごとのワクチン接種率は、接種の状況を場所ごとに描き出すデータです。人・場所・時間の分布を記述するもので、記述疫学の内容にあたります。
- 3食中毒の発生件数と季節との関係:食中毒の発生件数を季節ごとに比べるのは、病気の発生を時間の面から記述することです。発生の傾向をつかむ記述疫学の内容で、仮説の検証を目的とする分析疫学とは異なります。
- 5ランダム化比較試験〈RCT〉による新薬の効果:ランダム化比較試験は、研究者が対象者を無作為に群に分けて新薬などを割り付ける研究で、介入研究にあたります。観察研究としての分析疫学には含まれません。
出典:第111回 保健師国家試験 午前(厚生労働省)問28(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)