第111回 午前 問30
保健統計学
2種類の数量データの相関で正しいのはどれか。
- 1相関係数は外れ値の影響を受けにくい指標である。
- 2相関係数が大きいことは因果関係が確からしいことを意味する。
- 3統計的に有意な相関がある変数間には、臨床的に有意な関連がある。
- 4相関があるということは因果関係があるということの十分条件である。
- 5変数間の関係がU字型の場合には相関係数での関連の評価はできない。
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✓ これが正解5変数間の関係がU字型の場合には相関係数での関連の評価はできない。
解説
関係がU字型だと、相関係数では関連を適切に評価できません。
ここでいう相関係数(ピアソンの積率相関係数)は、2つの数量データの間にどれだけ直線的な関係があるかを、−1から1までの値で表す指標です。直線に近い関係ほど絶対値が1に近づき、直線的な関係がなければ0に近づきます。
変数間の関係がU字型の場合、一方が増えるにつれてもう一方がいったん下がり、その後上がります。はっきりした関係があっても、下がる部分と上がる部分が打ち消し合うため、相関係数は0に近い値になることがあります。このため、U字型の関係は相関係数では適切に評価できず、散布図で形を確かめる必要があります。したがって、U字型の場合には相関係数での関連の評価はできないという記述が正しいものです。
相関係数は直線関係の強さだけを表す指標で、極端な値の影響を受けやすく、因果関係を示すものでもありません。数値を見る前に散布図を描く、という基本を押さえておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1相関係数は外れ値の影響を受けにくい指標である。:相関係数は平均からのずれを掛け合わせて計算するため、極端に離れた値が1つあるだけで大きく変わります。外れ値の影響を受けやすい指標で、受けにくいというのは逆です。
- 2相関係数が大きいことは因果関係が確からしいことを意味する。:相関係数が大きくても、両方の変数に影響する第三の要因(交絡)が働いているだけかもしれません。相関の強さは、因果関係の確からしさを保証するものではありません。
- 3統計的に有意な相関がある変数間には、臨床的に有意な関連がある。:対象者数が多いと、ごく弱い相関でも統計的に有意になります。統計的に有意であることと、臨床の場で意味がある大きさの関連であることは別の問題です。
- 4相関があるということは因果関係があるということの十分条件である。:相関は因果関係が成り立つための十分条件ではありません。相関があっても、偶然や交絡、因果の向きが逆である可能性などを検討しなければ、因果関係があるとはいえません。
出典:第111回 保健師国家試験 午前(厚生労働省)問30(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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