第112回 午後 問23
疫学
耐糖能異常の頻度の地域比較調査を行った。A地区では空腹時血糖126 mg/dL以上、B地区では随時血糖200 mg/dL以上とHbA1c 6.5%以上を組み合わせて評価していたことが明らかになった。疫学調査法における問題点はどれか。
- 1交 絡
- 2偶然誤差
- 3情報の偏り〈バイアス〉
- 4選択の偏り〈バイアス〉
- 5リードタイムバイアス
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✓ これが正解3情報の偏り〈バイアス〉
解説
地区で測り方が違うことによる情報の偏りが問題です。
疫学調査で結果をゆがめる要因には、偶然による誤差と、一定の方向にずれる系統的な誤差(偏り、バイアス)があります。系統的な誤差は、さらに、対象者の選び方による選択の偏り、情報の集め方や測り方による情報の偏り、結果に影響する第三の要因による交絡に分けて考えます。
この調査では、耐糖能異常の頻度を2つの地区で比べていますが、A地区は空腹時血糖126 mg/dL以上、B地区は随時血糖200 mg/dL以上とHbA1c 6.5%以上の組合せというように、地区によって判定の基準や測り方が違っていました。同じ人でも、どちらの基準で判定されるかによって異常の有無が変わり得るため、地区間の頻度の差が本当の差なのか、測り方の違いによるものなのかを区別できません。これは、情報の集め方や測定方法の違いによって起こる情報の偏りです。
したがって、この調査法の問題点は情報の偏りです。偏りの種類を見分けるときは、誰を選んだかの問題なら選択の偏り、どう測ったかの問題なら情報の偏り、別の要因が混ざっているなら交絡、と原因の場所で考えると整理しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1交 絡:交絡は、調べたい要因と結果の両方に関係する第三の要因が混ざって、見かけの関連を生む現象です。この調査の問題は、地区ごとに判定の基準そのものが異なっていた点にあります。
- 2偶然誤差:偶然誤差は、対象者の数が少ないことなどで生じる方向の定まらないばらつきです。地区ごとに異なる基準で判定するという、一定の方向にずれを生む問題とは性質が違います。
- 4選択の偏り〈バイアス〉:選択の偏りは、調査の対象者の選び方や参加のしかたによって集団の特徴がゆがむことです。この調査では、対象者の選び方ではなく、異常の判定方法が地区で違っていたことが問題です。
- 5リードタイムバイアス:リードタイムバイアスは、検診で早く見つかることで、見かけ上の生存期間が延びて見える偏りです。耐糖能異常の頻度を地区間で比べる調査の問題点とは関係がありません。
出典:第112回 保健師国家試験 午後(厚生労働省)問23(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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