2023年9月 (特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会・一般社団法人金融財政事情研究会)問57
相続・事業承継
相続税の課税財産等に関する問題
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相続税の課税財産等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1契約者(=保険料負担者)および被保険者が夫、死亡保険金受取人が妻である生命保険契約において、夫の死亡により妻が受け取った死亡保険金は、原則として、遺産分割の対象とならない。
- 2契約者(=保険料負担者)および被保険者が父、死亡保険金受取人が子である生命保険契約において、子が相続の放棄をした場合は、当該死亡保険金について、死亡保険金の非課税金額の規定の適用を受けることができない。
- 3老齢基礎年金の受給権者である被相続人が死亡し、その者に支給されるべき年金給付で死亡後に支給期の到来するものを相続人が受け取った場合、当該未支給の年金は、相続税の課税対象となる。
- 4被相続人の死亡により、当該被相続人に支給されるべきであった退職手当金で被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものについて、相続人がその支給を受けた場合、当該退職手当金は、相続税の課税対象となる。
答えと解説
✓ これが正解3老齢基礎年金の受給権者である被相続人が死亡し、その者に支給されるべき年金給付で死亡後に支給期の到来するものを相続人が受け取った場合、当該未支給の年金は、相続税の課税対象となる。
解説
未支給年金は受け取った遺族の一時所得で、相続税の課税対象ではありません。
この問は、死亡保険金・未支給年金・死亡退職金が相続税の課税対象になるか、遺産分割の対象になるかを問うものです。
公的年金の受給権者が亡くなった場合、亡くなった人に支給されるべきだった年金で、まだ受け取っていないもの(未支給年金)は、一定の遺族が自分の固有の権利として請求して受け取ります。相続財産ではないため相続税の課税対象にはならず、受け取った遺族の一時所得として所得税の課税対象になります。未支給の年金を相続税の課税対象とする記述が、最も不適切です。
ほかの記述は適切です。契約者(=保険料負担者)と被保険者が夫、受取人が妻の死亡保険金は、妻の固有の財産となり、原則として遺産分割の対象になりません(相続税では、みなし相続財産として課税されます)。相続を放棄した人は相続人ではないので、死亡保険金を受け取っても非課税金額の規定は使えません。死亡後3年以内に支給が確定した退職手当金は、相続人が受け取ると、みなし相続財産として相続税の課税対象になります。
相続財産には当たらないが相続税がかかるもの(死亡保険金・死亡退職金)と、相続税ではなく所得税がかかるもの(未支給年金)を区別すると判断しやすくなります。
ほかの選択肢の解説
- 1…夫、死亡保険金受取人が妻である生命保険契約において、夫の死亡により妻が受け取った死亡保険金は、原則として、遺産分割の対象とならない。:受取人が指定された死亡保険金は、受取人が保険契約にもとづいて自分の権利として受け取るもので、亡くなった人の遺産ではありません。原則として遺産分割の対象にならないので、この記述は適切です。
- 2…父、死亡保険金受取人が子である生命保険契約において、子が相続の放棄をした場合は、当該死亡保険金について、死亡保険金の非課税金額の規定の適用を受けることができない。:死亡保険金の非課税金額(500万円×法定相続人の数)を使えるのは、相続人が受け取った場合だけです。相続を放棄した人は相続人ではなくなるため、非課税の規定は受けられず、この記述は適切です。
- 4被相続人の死亡により、当該被相続人に支給されるべきであった退職手当金で被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものについて、相続人がその支給を受けた場合、当該退職手当金は、相続税の課税対象となる。:死亡後3年以内に支払額が確定した退職金を相続人が受け取ると、本来の遺産ではなくても遺産と同じように扱われ、相続税がかかります。この記述は適切です。
出典:2023年9月 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定 学科試験(特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会・一般社団法人金融財政事情研究会)問57(改変:肢の番号をそろえ、表・図を文字に書き写して加工)。解説は当サイト独自のもので、日本FP協会・金融財政事情研究会とは関係ありません。
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