平成25年度 秋期 午前 問80
法務
準委任契約の説明
情報システム開発において適用される契約形態のうち,準委任契約について説明したものはどれか。
- ア業務分析や IT 戦略のコンサルティングなど,作業や事務の遂行を約束する契約である。仕事の完成は約束されないが,委託元の求めに応じて報告の義務がある。
- イハードウェアやソフトウェアパッケージを貸主から借り受け,一定期間にわたって使用することに対する費用の支払を定めた契約である。
- ウ派遣元が雇用する社員を派遣先に派遣し,派遣先の上司の指揮命令や時間管理の下に派遣された社員がシステムの開発や運用に従事する契約である。
- エプログラムの制作など,仕様書などに従って定められた仕事の完成を約束する契約である。仕事の進め方は受託側の自由裁量が認められている。
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✓ これが正解ア業務分析や IT 戦略のコンサルティングなど,作業や事務の遂行を約束する契約である。仕事の完成は約束されないが,委託元の求めに応じて報告の義務がある。
解説
完成ではなく作業の遂行を約束する契約です。
設問は、情報システム開発で適用される契約形態のうち、準委任契約を説明したものを選ばせています。見る軸は二つで、仕事の完成を約束するかどうかと、指揮命令をするのが誰かです。準委任契約が約束するのは作業や事務の遂行そのもので、成果物を仕上げる義務は負いません。その代わり、引き受けた側は善良な管理者としての注意を払って作業に当たり、委託元から求められれば経過を報告する義務があります。指揮命令は引き受けた側の中で行われ、委託元が作業者へ直接の指示を出すことはありません。例に挙がる業務分析や IT 戦略のコンサルティングは、何を出せば終わりなのかを前もって決めにくい仕事です。こうした工程では出来上がりを条件にできないので、手を動かすこと自体を対価の対象にします。逆に、設計や製造やテストのように成果物を仕様で定義できる工程では、別の契約形態が選ばれます。同じ案件でも工程ごとに使い分けるのが普通です。よって、作業や事務の遂行を約束し、仕事の完成は約束されず、委託元の求めに応じて報告の義務があるという記述が当てはまります。契約形態の設問では、完成の義務と指揮命令の向きを二列に書き出してから肢を当ててください。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- イハードウェアやソフトウェアパッケージを貸…:貸主から機器やソフトウェアパッケージを借り受け、使った期間に応じて費用を払う取り決めは、物を借りるための契約です。人の働きではなく物の貸し借りを対象としており、開発の仕事を任せる話ではありません。
- ウ派遣元が雇用する社員を派遣先に派遣し,派…:派遣先の上司が指揮命令と時間管理を行う形は、労働者派遣契約です。雇っているのは派遣元のままですが、働き方の指示を出すのが発注側へ移る点で、向きが逆になります。形だけ整えて発注側が直接指示すると偽装請負になります。
- エプログラムの制作など,仕様書などに従って…:仕様書などに従って定められた仕事を仕上げると約束する形は、請負契約です。進め方が受託側の裁量である点は二つの契約に共通するので、出来上がった物を引き渡す義務が課されているかどうかだけで切り分けます。
この問題の用語
- 準委任契約善管注意義務を負って、事務の処理を引き受ける契約のことです。成果物を完成させる義務を負う請負契約とは違います。
- 指揮命令働く人に仕事の内容や進め方を直接指示する関係のことです。派遣では派遣先が行いますが、請負では発注者ではなく受注した側が行います。
- 情報システム業務に必要なデータを集め、処理し、伝えるための仕組み全体です。コンピュータや通信網だけでなく、それを使う人や業務の手順も含みます。
- 業務分析いまの業務の流れや費用を調べて、どこを直せばよいかを明らかにする作業です。ORやIEといった手法が使われます。
- 作業工程を組み立てる、一つひとつの仕事の単位のことです。開始と終了、所要日数をもち、順序をつないで全体の日程を作ります。
出典:平成25年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問80
同じ用語が出る問題
- 令和6年度 秋期 午前 問79:労働者派遣法に関する問題(指揮命令)
- 令和5年度 秋期 午前 問80(指揮命令)
- 平成28年度 秋期 午前 問66:要件定義に関する問題(準委任契約)
- 平成21年度 秋期 午前 問49(業務分析)
- 平成21年度 春期 午前 問63:業務分析に関する問題(業務分析)
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