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令和8年度 午前の部 問10

民法

共有に関する問題

A、B及びCが各3分の1の持分の割合で甲土地及び乙自動車を共有している場合に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。なお、いずれの共有関係も相続によって生じたもの(遺産共有)ではないものとする。

〔冊子の注記〕以下の試験問題については、国際物品売買契約に関する国際連合条約(ウィーン売買条約)の適用は考慮しないものとして、解答してください。また、第4問から第23問までの試験問題については、商法の適用は考慮しないものとして、解答してください。

ア AがBに対し相当の期間を定めて甲土地にその効用の著しい変更を伴う変更を加えることについて賛否を明らかにすべき旨を催告したにもかかわらず、Bがその期間内に賛否を明らかにしないときは、裁判所は、Aの請求により、Cの同意を得て甲土地に当該変更を加えることができる旨の裁判をすることができる。

イ AがBの所在を知ることができないときは、裁判所は、Aの請求により、Cの同意を得て甲土地にその効用の著しい変更を伴う変更を加えることができる旨の裁判をすることができる。

ウ AがBの所在を知ることができないときは、裁判所は、Aの請求により、A及びCが甲土地の持分の全部をDに譲渡することを停止条件としてBの持分をDに譲渡する権限をAに付与する旨の裁判をすることができる。

エ AがBの所在を知ることができないときは、裁判所は、Aの請求により、乙自動車のBの持分をAに取得させる旨の裁判をすることができる。

オ Aが乙自動車を期間6か月の約定でEに賃貸することについてBが同意した場合には、Cが同意しなかったときであっても、Aは、乙自動車を期間6か月の約定でEに賃貸することができる。

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✓ これが正解2アエ

解説

アとエが誤り。変更は催告型の裁判の対象外、持分取得は不動産のみ

令和3年改正後の民法の共有の規定(共有物の変更・管理と、所在等不明共有者に関する裁判)で判断する問題です。効用の著しい変更を伴う変更には共有者全員の同意が必要ですが、一定の場合に裁判で手当てする仕組みが設けられています。

アについて、賛否を明らかにしない共有者がいる場合の裁判を定めた民法第252条第2項第2号は、共有物の管理に関する事項に限った規定です。効用の著しい変更を伴う変更については、民法第251条第2項が共有者の所在を知ることができないときなどの裁判を定めているだけで、賛否不明の場合の裁判はありません。アは誤りです。イは、まさに第251条第2項の場面で、所在不明のB以外のCの同意を得て変更を加える裁判ができるので、正しい記述です。ウについて、民法第262条の3第1項は、不動産について、所在等不明共有者以外の共有者全員が特定の者に持分の全部を譲渡することを停止条件として、所在等不明共有者の持分を譲渡する権限を付与する裁判を定めています。ウは正しい記述です。

エについて、所在等不明共有者の持分を取得させる裁判(民法第262条の2)は、不動産が数人の共有に属する場合(不動産の使用収益権の準共有を含む)の制度で、乙自動車のような動産には使えません。エは誤りです。オについて、民法第252条第4項第4号により、動産の賃借権等で6か月を超えないものの設定は管理に関する事項として持分の価格の過半数で決められます。AとBで3分の2を占めるので、Cが同意しなくても賃貸できます。オは正しい記述です。したがって、アとエの組合せが正解です。

所在不明の裁判は変更にも管理にも使えるが賛否不明の裁判は管理だけ、持分の取得・譲渡の裁判は不動産だけ、と適用範囲で整理しましょう。

ほかの選択肢はなぜ違うのか

出典:令和8年度 司法書士試験 午前の部(法務省)問10(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。

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