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令和6年度 午前の部 問35

会社法・商法

匿名組合員に関する問題

商行為に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

ア 商行為の委任による代理権は、本人の死亡によって消滅する。

イ 商人間の売買において、当該売買の目的物が品質に関して契約の内容に適合しないことにつき売主が悪意であった場合において、その不適合を直ちに発見することができないときであって、買主が当該目的物の受領後6か月以内に当該不適合を発見したときは、買主は、売主に対してその旨の通知を発することを怠ったときであっても、売主に対し、当該不適合を理由とする損害賠償の請求をすることができる。

ウ 匿名組合員の出資は、匿名組合員全員の共有に属する。

エ 商法上の仲立人は、媒介した商行為について、当事者の一方の氏名又は名称をその相手方に示さなかったときは、当該相手方に対して自ら履行をする責任を負う。

オ 問屋は、取引所の相場がある物品の販売の委託を受けたときは、自ら買主となることができる。

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✓ これが正解1アウ

解説

アとウが誤り。本人の死亡で代理権は消えず、出資は営業者の財産

商法の商行為編から、代理権の消滅、商人間の売買での買主の検査・通知、匿名組合、仲立人、問屋の介入権を確かめる問題です。誤っているものを選びます。

イは正しい記述です。商人間の売買では、買主は目的物を受領したら遅滞なく検査し、品質などの不適合を発見したら直ちに売主に通知しなければ責任を追及できなくなるのが原則で、直ちに発見できない不適合でも受領後6か月以内に発見して通知しなければなりません。ただし、売主がその不適合について悪意であった場合にはこの規律は適用されないので、通知を怠っても損害賠償を請求できます。エも正しい記述です。仲立人は、当事者の一方の氏名又は名称を相手方に示さなかったときは、相手方に対して自ら履行をする責任を負います。オも正しい記述です。問屋は、取引所の相場がある物品の販売又は買入れの委託を受けたときは、自ら買主又は売主となることができます(介入権)。

アは誤りです。商法第506条は、商行為の委任による代理権は、本人の死亡によっては消滅しないと定めています。民法では本人の死亡は代理権の消滅事由ですが、営業の継続を重んじて特例を置いています。ウも誤りです。商法第536条第1項は、匿名組合員の出資は営業者の財産に属すると定めています。匿名組合は営業者が単独で営業する形をとるので、出資が匿名組合員全員の共有になるのではありません。

したがって誤っているのはアとウです。民法と比べて商法がどこを変えているか(本人の死亡で代理権は消えない、出資は営業者のものになる)という差分を意識して覚えると、商行為の問題は整理しやすくなります。

ほかの選択肢はなぜ違うのか

出典:令和6年度 司法書士試験 午前の部(法務省)問35(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。

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