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令和5年度 午前の部 問6

民法

代理に関する問題

Aが、Bの代理人と称して、Cとの間で、Bの所有する不動産を売却する旨の契約(以下「本件売買契約」という。)を締結したが、実際にはAは代理権を有しておらず、また、CはAが代理権を有していないことを知らなかった。この事例に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

〔冊子の注記〕以下の試験問題については、国際物品売買契約に関する国際連合条約(ウィーン売買条約)の適用は考慮しないものとして、解答してください。また、第4問から第23問までの試験問題については、商法の適用は考慮しないものとして、解答してください。

ア Cは、Bに対し、相当の期間を定めて、その期間内に本件売買契約を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができ、Bがその期間内に確答しないときは、追認したものとみなされる。

イ Bが本件売買契約を追認した場合において、別段の意思表示がないときは、本件売買契約は、その追認の時から効力を生ずる。

ウ 本件売買契約の締結時において、Aが成年被後見人であったときは、Aは、Cに対して民法第117条第1項による無権代理人の責任を負わない。

エ Bが、Aに対して、本件売買契約を追認した場合であっても、Cが当該追認の事実を知らないときは、Cは本件売買契約を取り消すことができる。

オ Aが、自己に代理権がないことを知りながら、本件売買契約を締結した場合であっても、Aが代理権を有しないことをCが過失によって知らなかったときは、Aは、Cに対して民法第117条第1項による無権代理人の責任を負わない。

(参考)

民法

第117条 他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明したとき、又は本人の追認を得たときを除き、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う。

2 (略)

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✓ これが正解4ウエ

解説

ウとエが正しく、ア・イ・オは無権代理の条文の結論と逆です

無権代理(代理権がないのに代理人として契約すること)について、本人の追認、相手方の催告・取消し、無権代理人の責任(民法第117条)の各規定で判断します。正しいものを2つ選びます。

アは誤りです。民法第114条により、相手方Cは本人Bに相当の期間を定めて追認するかどうかを催告できますが、Bがその期間内に確答しないときは、追認を拒絶したものとみなされます。追認とみなされるのではありません。イも誤りです。第116条により、追認は、別段の意思表示がないときは、契約の時にさかのぼって効力を生じます。

ウは正しい記述です。第117条第2項第3号は、他人の代理人として契約をした者が行為能力の制限を受けていたときは、同条第1項の責任を負わないとしています。成年被後見人であったAは責任を負いません。エも正しい記述です。第113条第2項により、追認は相手方に対してしなければ、相手方がその事実を知った場合を除き、相手方に対抗できません。Bが無権代理人Aに対して追認しただけでCが知らなければ、Cは契約を取り消すことができます。

オは誤りです。第117条第2項第2号は、相手方が過失によって代理権のないことを知らなかったときは責任を負わないとしつつ、ただし書で、無権代理人が自己に代理権がないことを知っていたときはこの限りでないと定めています。代理権がないと知っていたAは、Cに過失があっても責任を負います。

したがって、ウとエを選ぶ組合せが正解です。催告に黙っていれば拒絶、追認はさかのぼる、知っていた無権代理人は相手方の過失を言い訳にできない、と覚えておくと便利です。

ほかの選択肢はなぜ違うのか

出典:令和5年度 司法書士試験 午前の部(法務省)問6(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。

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