第36回 問題33
地域福祉と包括的支援体制
地域福祉に関連する法律,事業に規定されている対象に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
- 1ひきこもり支援推進事業の対象となるひきこもり状態にある者のひきこもりとは,「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」によれば,原則的には2年以上家庭にとどまり続けていることをいう。
- 2ヤングケアラー支援体制強化事業におけるヤングケアラーとは,家族への世話などを日常的に行っている18歳から39歳までの者をいう。
- 3生活福祉資金の貸付対象における低所得世帯とは,資金の貸付けにあわせて必要な支援を受けることにより独立自活できると認められる世帯であって,必要な資金の融通を他から受けることが困難である者をいう。
- 4生活困窮者自立支援法における生活困窮者とは,最低限度の生活を維持できていない者をいう。
- 5日常生活自立支援事業の対象者とは,本事業の契約内容について理解できない者のうち,成年後見制度を利用していない者をいう。(注) 「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」とは,厚生労働科学研究費補助金こころの健康科学研究事業(厚生労働省)においてまとめられたものである。
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✓ これが正解3生活福祉資金の貸付対象における低所得世帯とは,資金の貸付けにあわせて必要な支援を受けることにより独立自活できると認められる世帯であって,必要な資金の融通を他から受けることが困難である者をいう。
解説
生活福祉資金の低所得世帯の説明は、貸付対象の規定どおりです。
この問は、地域福祉に関わる法律や事業が、それぞれの対象をどう定めているかを問うものです。対象の定義は、期間・年齢・判断能力などの細かい条件で区別されるので、条件の一つひとつを確かめて判断します。
生活福祉資金貸付制度は、都道府県社会福祉協議会が実施主体となり、低所得世帯・障害者世帯・高齢者世帯に資金を貸し付ける制度です。このうち低所得世帯は、資金の貸付けとあわせて必要な支援を受けることで自立した生活を送れると認められ、必要な資金をほかから借りることが難しい世帯とされています。貸付けに相談支援を組み合わせることで自立を支えるという制度の考え方が、この定義に表れています。したがってこの記述が正しいものです。
ほかの記述は、対象の条件がずれています。ひきこもりのガイドラインでは期間を原則6か月以上としています。生活困窮者自立支援法の生活困窮者は、最低限度の生活を維持することができなくなるおそれのある者で、すでに維持できていない人に限りません。ヤングケアラーは子どもを中心にとらえられ、日常生活自立支援事業は契約内容を判断できる力があることが利用の前提です。
覚え方は、生活困窮者はおそれのある段階から、日常生活自立支援事業は契約ができる人、ひきこもりは6か月、と条件の要点を組で押さえることです。
出題当時のヤングケアラー支援体制強化事業では、ヤングケアラーは家族の世話などを日常的に行っている子どもとしてとらえられていました。現在は子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律(2024年6月12日施行)により、子ども・若者育成支援推進法で、家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者として、国や地方公共団体などが支援に努めるべき対象に明記されています。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1ひきこもり支援推進事業の対象となるひきこ…:ひきこもりの評価・支援に関するガイドラインでは、ひきこもりを、原則として6か月以上にわたっておおむね家庭にとどまり続けている状態としています。2年以上という期間は誤りです。
- 2ヤングケアラー支援体制強化事業におけるヤ…:ヤングケアラー支援体制強化事業でのヤングケアラーは、本来大人が担うと想定される家事や家族の世話などを日常的に行っている子どもを中心にとらえていました。18歳から39歳までに限る定義ではありません。
- 4生活困窮者自立支援法における生活困窮者と…:生活困窮者自立支援法は、現に経済的に困窮し、最低限度の生活を維持することができなくなるおそれのある者を生活困窮者としています。生活保護に至る前の段階から支える考え方です。
- 5日常生活自立支援事業の対象者とは,本事業…:日常生活自立支援事業は、判断能力が不十分な人のうち、事業の契約の内容について判断できる力がある人が対象です。成年後見制度を利用している人が使える場合もあります。
出典:第36回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題33。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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