第37回 問題41
権利擁護を支える法制度
成年後見制度の利用促進に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1市町村は,成年後見制度利用促進に係る地域連携ネットワークのコーディネートを担う中核機関を整備していくことが求められている。
- 2成年後見制度利用促進のため,都道府県知事による申立てを行うことができることとなった。
- 3都道府県は,成年後見制度の利用促進における意思決定支援の浸透を図るため「意思決定支援ガイドライン」の策定をしなければならない。
- 4都道府県は,成年後見制度の利用の促進に関し,専門的知識を有する者により構成される成年後見制度利用促進専門家会議の設置をしなければならない。
- 5市町村は,毎年一回,成年後見制度の利用の促進に関する施策の実施状況を公表することとされている。
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✓ これが正解1市町村は,成年後見制度利用促進に係る地域連携ネットワークのコーディネートを担う中核機関を整備していくことが求められている。
解説
市町村には、地域連携ネットワークの中核機関の整備が求められています。
成年後見制度の利用の促進に関する法律(成年後見制度利用促進法)は、制度を必要とする人が利用できるよう、国・地方公共団体などの責務を定めた法律で、これに基づいて国が成年後見制度利用促進基本計画を定めています。この問は、この法律と基本計画の中身で判断します。
基本計画では、権利擁護支援が必要な人を早期に発見し、適切な支援につなげるため、地域の専門職団体や関係機関が連携する地域連携ネットワークをつくり、その中心となってコーディネートを担う中核機関を、市町村が整備していくことが求められています。したがって、この記述が最も適切です。また、同法第14条は、市町村は基本計画を勘案して、成年後見制度の利用の促進に関する施策についての基本的な計画を定めるよう努めるとしています。
ほかの記述を確認します。後見等の開始の審判の申立ては、老人福祉法などの規定によって市町村長が行うことができ、都道府県知事による申立ての仕組みが設けられたわけではありません。意思決定支援のガイドラインは国や専門職団体などが策定したものです。成年後見制度利用促進専門家会議は関係行政機関が設けるものです(第13条)。施策の実施状況を毎年一回公表するのは政府です(第10条)。
中核機関と地域連携ネットワークは市町村、専門家会議と毎年の公表は国、と担い手で整理しておくと判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2成年後見制度利用促進のため,都道府県知事…:後見開始などの申立ては、本人や4親等内の親族のほか、福祉の法律に基づいて市町村長も行えます。都道府県のトップが申立人となる制度が利用促進の一環で加わったという事実はありません。
- 3都道府県は,成年後見制度の利用促進におけ…:意思決定支援を踏まえた後見事務のガイドラインは、最高裁判所や厚生労働省、専門職団体などが策定したものです。都道府県にガイドラインの策定を義務づける規定はありません。
- 4都道府県は,成年後見制度の利用の促進に関…:専門的知識を有する者で構成される成年後見制度利用促進専門家会議は、法律に基づき関係行政機関が設ける、国の側の会議です。都道府県に設置を義務づけたものではありません。
- 5市町村は,毎年一回,成年後見制度の利用の…:利用促進法で、施策がどこまで進んだかを年に一度インターネットなどで明らかにするよう求められているのは政府です。市町村が公表する義務を負うわけではありません。
出典:第37回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題41。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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