第36回 問題68
貧困に対する支援
事例を読んで,生活困窮者自立相談支援機関のD相談支援員(社会福祉士)が提案する自立支援計画案の内容に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Eさん(50歳)は,実家で両親と3人暮らしである。両親はともに80代で,実家は持ち家だが他に資産はなく,一家は両親の老齢基礎年金で生活している。Eさんは大学卒業後,出身地の会社に就職したが人間関係がこじれて5年前に退職し,その後は定職に就かず,実家でひきこもり状態である。Eさんの状況を両親が心配し,またEさん自身もこの状況をどうにかしたいと考えて,Eさんは両親とともに生活困窮者自立相談支援機関に来所した。D相談支援員は,アセスメントを経て,Eさんに今後の支援内容を提案した。
- 1社会福祉協議会での被保護者就労支援事業の利用
- 2公共職業安定所(ハローワーク)での生活困窮者就労準備支援事業の利用
- 3認定事業者での生活困窮者就労訓練の利用
- 4地域若者サポートステーションでの「求職者支援制度」の利用
- 5生活保護法に基づく授産施設の利用(注) 「求職者支援制度」とは,職業訓練の実施等による特定求職者の就職に関する法律(求職者支援法)に基づく制度のことである。
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✓ これが正解3認定事業者での生活困窮者就労訓練の利用
解説
Eさんには、認定事業者での生活困窮者就労訓練の利用が適切です。
この事例は、生活困窮者自立相談支援機関がアセスメントを経て、Eさんに今後の支援の内容(自立支援計画)を提案する段階です。決め手は、Eさんが50歳で、退職後5年間定職に就かずひきこもりの状態にあること、Eさん自身もこの状況をどうにかしたいと考えていること、そして一家は両親の年金で暮らしており、生活保護は受けていないことです。生活保護に至る前の生活困窮者を支える生活困窮者自立支援法の枠組みで考えます。
生活困窮者就労訓練(認定就労訓練事業)は、都道府県知事などの認定を受けた事業者が、すぐに一般就労することが難しい生活困窮者に、支援を受けながら働く機会を提供し、就労に必要な知識や能力を高めるものです。いわゆる中間的就労と呼ばれ、雇用契約を結ばない形と結ぶ形があります。長く働いていないEさんが、無理のない形で働く感覚を少しずつ取り戻し、一般就労へ段階を踏んで近づくための場として合っています。
見分け方として、生活保護を受けているかどうかで使う事業が分かれること、そして各事業をどの機関が行うかの組み合わせを確かめることが大切です。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1社会福祉協議会での被保護者就労支援事業の…:被保護者就労支援事業は、生活保護法に基づいて福祉事務所が生活保護の受給者を対象に行う事業です。Eさんの世帯は生活保護を受けておらず、社会福祉協議会で利用する事業でもありません。
- 2公共職業安定所(ハローワーク)での生活困…:生活困窮者就労準備支援事業は、生活困窮者自立支援法に基づき自治体やその委託先が行う事業です。ハローワークで利用するものではなく、実施する機関の記述が誤っています。
- 4地域若者サポートステーションでの「求職者…:地域若者サポートステーションは、おおむね49歳までの働くことに悩む若者などを対象とする機関です。求職者支援制度はハローワークを通じて利用する制度で、組み合わせも対象の年齢も合いません。
- 5生活保護法に基づく授産施設の利用(注) …:生活保護法に基づく授産施設は保護施設の一つで、主に被保護者などに就労や技能修得の機会を与える施設です。生活保護を受けていないEさんの自立支援計画で提案するものとしては合いません。
出典:第36回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題68。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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