第38回 問題97
貧困に対する支援
我が国の貧困問題に対する制度に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
- 11874年(明治7年)に制定された恤救規則は,救護の種類に生活扶助を明記した我が国では初めての貧困対策であった。
- 21929年(昭和4年)に成立した救護法において,世界恐慌の影響から失業者が救済対象と明記された。
- 31945年(昭和20年)に閣議決定された生活困窮者緊急生活援護要綱において,失業者は生活援護の対象から外された。
- 41946年(昭和21年)に制定された旧生活保護法において,素行不良な者は保護をなさないとする欠格条項は撤廃された。
- 51950年(昭和25年)に制定された生活保護法において,申請保護の原則が明記された。
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✓ これが正解51950年(昭和25年)に制定された生活保護法において,申請保護の原則が明記された。
解説
1950年の生活保護法で申請保護の原則が明記された。
我が国の公的扶助は、恤救規則(1874年)、救護法(1929年)、生活困窮者緊急生活援護要綱(1945年)、旧生活保護法(1946年)、現行の生活保護法(1950年)と移り変わってきました。この問は、それぞれの制度の対象と考え方の違いで判断します。
1950年に制定された現行の生活保護法は、日本国憲法第25条の生存権の理念に基づき、保護は要保護者、その扶養義務者又はその同居の親族の申請に基づいて開始するという申請保護の原則を定めました。保護を受けることを国民の権利として位置づけ、不服申立ての仕組みも整えた点が、旧法との大きな違いです。申請保護の原則が明記されたとする記述が正しい記述です。
さかのぼって見ると、恤救規則は人民相互の情誼(助け合い)を前提とし、身寄りのない極貧者などに限って米代を支給するもので、扶助の種類を定めたものではありません。救護法は救護の対象を65歳以上の老衰者や13歳以下の幼者などに限り、働く能力のある失業者は対象としませんでした。生活困窮者緊急生活援護要綱は、戦後の混乱期に失業者や戦災者、引揚者などを対象に含めました。旧生活保護法は、素行不良な者などを保護しないとする欠格条項を残しており、これが撤廃されたのは現行法です。
旧法から現行法への変化は、欠格条項の撤廃、保護請求権の確立、不服申立ての整備、と3点まとめて覚えると見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 11874年(明治7年)に制定された恤救規則は,救護の種類に生活扶助を明記した我が国では初めての貧困対策であった。:恤救規則は、人民相互の情誼を基本とし、身寄りのない極貧者などに限って米代を支給するものでした。生活扶助などの扶助の種類を定めた制度ではなく、救済の範囲もごく限られていました。
- 21929年(昭和4年)に成立した救護法において,世界恐慌の影響から失業者が救済対象と明記された。:救護法が救護の対象としたのは、高齢の老衰者、幼い子ども、妊産婦、障害や疾病で働けない者などです。働く能力のある者は対象とされず、失業者を救済対象として明記したわけではありません。
- 31945年(昭和20年)に閣議決定された生活困窮者緊急生活援護要綱において,失業者は生活援護の対象から外された。:生活困窮者緊急生活援護要綱は、終戦直後の生活困窮に対応するため、失業者、戦災者、引揚者などを援護の対象に含めた応急の措置です。失業者を対象から外したとする点が逆になっています。
- 41946年(昭和21年)に制定された旧生活保護法において,素行不良な者は保護をなさないとする欠格条項は撤廃された。:1946年の旧生活保護法は、素行不良な者や勤労を怠る者などを保護しないとする欠格条項を設けていました。欠格条項が撤廃されたのは1950年の現行の生活保護法であり、時期を取り違えています。
出典:第38回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題97。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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