第36回 問題66
貧困に対する支援
生活保護制度における都道府県及び都道府県知事の役割や権限に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
- 1都道府県は,福祉事務所を任意に設置できる。
- 2都道府県知事は,地域の実情を踏まえて生活保護法上の保護基準を変更することができる。
- 3都道府県は,町村が福祉事務所を設置する場合,その保護費の一部を負担する。
- 4都道府県知事は,保護施設の設備及び運営について,基準を定めるよう努めることとされている。
- 5都道府県知事は,生活保護法に定めるその職権の一部を,その管理に属する行政庁に委任することができる。
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✓ これが正解5都道府県知事は,生活保護法に定めるその職権の一部を,その管理に属する行政庁に委任することができる。
解説
都道府県知事は、生活保護法上の職権の一部を管理下の行政庁に委任できます。
生活保護法第20条は、都道府県知事は、この法律に定めるその職権の一部を、その管理に属する行政庁に委任することができると定めています。都道府県知事は、町村部などで保護の実施機関となるほか、保護施設の認可や指導監督なども担います。こうした職権の一部を、都道府県が設置する福祉事務所の長などの行政庁に委ねて、実務を地域に近いところで行えるようにする規定です。
この問は、生活保護制度の中で、国(厚生労働大臣)、都道府県、市町村がそれぞれ何を担っているかを整理できているかを見ています。保護の基準を定めるのは国、福祉事務所の設置は都道府県と市が義務で町村は任意、保護施設の基準は都道府県が条例で定める義務を負う、といった役割分担を押さえることが大切です。
覚え方として、基準は国が決め、実施は福祉事務所を設けた自治体が担い、都道府県は広域の監督や施設の基準づくりを受け持つ、と三層で整理しておくと迷いにくくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1都道府県は,福祉事務所を任意に設置できる。:社会福祉法により、都道府県と市は条例で福祉事務所を設置しなければなりません。任意に設置できるとされているのは町村であり、都道府県にとっては設置が義務です。
- 2都道府県知事は,地域の実情を踏まえて生活保護法上の保護基準を変更することができる。:保護の基準は厚生労働大臣が定めます。地域による生活費の違いは級地の区分で反映されますが、都道府県知事が独自に保護基準を変えることはできません。
- 3都道府県は,町村が福祉事務所を設置する場合,その保護費の一部を負担する。:保護費は国が4分の3を負担し、残りは原則として保護を実施する福祉事務所を置いた自治体が負担します。町村が福祉事務所を置いた場合も、その保護費を都道府県が分担するのが原則の仕組みではありません。
- 4都道府県知事は,保護施設の設備及び運営について,基準を定めるよう努めることとされている。:生活保護法は、都道府県は保護施設の設備及び運営について条例で基準を定めなければならないとしています。努力義務ではなく、定めることが義務とされています。
出典:第36回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題66。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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