第61回 午後 問90
臨床医学
筋萎縮性側索硬化症に関する問題
筋萎縮性側索硬化症で診断に最も有用な検査はどれか。
- 1SPECT
- 2頭部CT
- 3針筋電図
- 4頸部超音波
- 5体性感覚誘発電位
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✓ これが正解3針筋電図
解説
筋萎縮性側索硬化症の診断には針筋電図が最も有用です。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、上位運動ニューロン(大脳から脊髄へ指令を送る神経)と下位運動ニューロン(脊髄の前角細胞から筋へ至る神経)の両方が徐々に変性していく病気です。判断の軸は、下位運動ニューロンの障害を客観的にとらえられる検査はどれかです。
針筋電図は、細い針電極を筋に刺して筋の電気活動を記録する検査です。ALSでは、安静時にも線維自発電位や線維束自発電位といった異常な電位が現れ(脱神経の所見)、随意収縮時には大きく長い運動単位電位が見られます(神経の再支配の所見)。こうした所見が複数の部位の筋で見つかることが、診断を支える重要な根拠になります。よって診断に最も有用な検査は針筋電図です。
SPECTや頭部CTは脳の血流や形を見る検査で、ALSに特徴的な異常は示しません。頸部超音波は頸動脈の狭窄などを調べる検査で、運動ニューロンの障害は分かりません。体性感覚誘発電位は感覚の経路を調べる検査で、ALSでは感覚系は原則として保たれるため、診断の決め手になりません。ALSは筋を見る針筋電図で下位運動ニューロンの障害を確かめる、と覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1SPECT:SPECTは放射性の薬剤を使って脳の血流を画像にする検査で、認知症の補助診断などに用いられます。ALSに特徴的な所見をとらえる検査ではありません。
- 2頭部CT:頭部CTは脳出血や脳梗塞、腫瘍などの形の異常を見つけるための検査です。ALSでは特徴的な異常が写らず、他の病気の除外に使う程度です。
- 4頸部超音波:頸部の超音波検査は、頸動脈の動脈硬化や狭窄を調べるために使います。運動神経が変性しているかどうかは分かりません。
- 5体性感覚誘発電位:手足の神経を電気で刺激し、その信号が頭皮上に届くまでを記録するのが体性感覚誘発電位です。ALSは運動神経の病気で感覚路は原則保たれるため、決め手になりません。
出典:第61回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問90(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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