令和元年度 問5
民法
Aが、Bに対するCの債務を保証するためBとの間で保証契約を締結する場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
- 1AがCの委託を受けて保証人となり、保証債務を弁済した場合において、BがC所有の不動産に抵当権の設定を受けていたときは、Aは、Bの同意を得なければ、Bに代位して当該抵当権を実行することができない。
- 2AがCの委託を受けずに保証人となったが、それがCの意思に反する場合において、AがCに代わり弁済をしたときは、Aは、弁済の当時にCが利益を受けた限度で求償することができる。
- 3BC間で特定物の売買を内容とする契約が締結され、売主Cの目的物引渡債務についてAが保証人となった場合において、Aは、Cの債務不履行により契約が解除されたときの代金返還債務については、特に保証する旨の意思表示のない限り、責任を負わない。
- 4AがCの委託を受けずに保証人となった場合において、Aは、Cに対し、事前の求償権を行使することはできない。
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✓ これが正解4AがCの委託を受けずに保証人となった場合において、Aは、Cに対し、事前の求償権を行使することはできない。
解説
委託を受けずに保証人となった者には、事前の求償権がありません。
この問は、民法の保証人の求償権と代位を問うものです。保証人が主たる債務者に代わって弁済したとき、立て替えた分を主たる債務者に請求できる権利を求償権といいます。その範囲や時期は、保証人が主たる債務者の委託を受けていたかどうかで変わります。
民法第460条は、保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合に限って、主たる債務者が破産手続開始の決定を受け債権者がその配当に加入しないときや、債務が弁済期にあるときなどに、あらかじめ求償権を行使できると定めています。委託を受けずに保証人となったAにはこの事前の求償権がないので、行使できないとする記述が正しいものです。
ほかの記述も見ておきます。保証人は弁済をするについて正当な利益を有する者なので、弁済すれば債権者の同意がなくても債権者に代位し、抵当権も行使できます。主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有します(第462条第2項)。また判例は、売主の債務の保証人は、特に反対の意思表示がない限り、契約解除による代金返還債務についても責任を負うとしています。
委託ありは事前の求償も可、委託なしは事後だけ、意思に反するときは現に利益を受けている限度、と三段で覚えると区別しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1AがCの委託を受けて保証人となり、保証債…:保証人は弁済をするについて正当な利益を有する者にあたり、弁済すれば債権者に代位します。債権者Bの同意は要件になっていないので、Aは代位して抵当権を実行でき、同意が必要とする記述は誤りです。
- 2AがCの委託を受けずに保証人となったが、…:意思に反して保証した者の求償は、弁済の当時ではなく、主たる債務者が現に利益を受けている限度に限られます。弁済の当時の利益を基準にするのは、意思に反しない委託なしの保証人の場合なので誤りです。
- 3BC間で特定物の売買を内容とする契約が締…:判例は、特定物の売主の債務を保証した者は、特に反対の意思表示がない限り、売主の債務不履行で契約が解除されたときの代金返還債務についても保証の責任を負うとしています。負わないとする記述は誤りです。
出典:令和元年度 管理業務主任者試験(一般社団法人マンション管理業協会)問5
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