第113回 午前 問93
成人看護学
人工股関節置換術に関する問題
次の文を読み91〜93の問いに答えよ。Aさん(49歳、女性)は、これまで在宅勤務でほとんど外出することがなく、BMI 33であった。Aさんは久しぶりの出勤の際に転倒し、右大腿骨頸部骨折と診断され、右人工股関節置換術を受けることになった。術後1日、Aさんは39.1 ℃の発熱がみられた。バイタルサイン:呼吸数18/分、脈拍117/分、整、血圧132/82 mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉97%(room air)。身体所見:呼吸音は異常なし、腰背部痛なし、術創部の腫脹、発赤、熱感はない。左手の末梢血管内カテーテル刺入部に発赤、熱感がある。血液検査所見:赤血球344万/μL、Hb 12.1 g/dL、白血球11,900/μL、血小板18万/μL。血液生化学所見:尿素窒素16 mg/dL、クレアチニン0.8 mg/dL、CRP 11.4 mg/dL。尿所見:沈査に白血球を認めない。胸部エックス線写真:異常所見なし。術後3日、Aさんの全身状態は改善し、読書をして過ごしている。Aさんの術後の合併症を予防する適切な肢位はどれか。
- 1外旋
- 2外転
- 3内旋
- 4内転
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✓ これが正解2外転
解説
脱臼を防ぐため、術後は患肢を外転位に保ちます。
人工股関節置換術の後の脱臼を予防する肢位を問う問題です。人工股関節は、手術の直後は周りの筋肉や関節を包む組織が十分に治っていないため、特定の方向に脚を動かすと、骨頭がはまっている受け皿から外れる脱臼を起こしやすい状態です。
とくに危険なのは、股関節を深く曲げる屈曲、脚を体の中心線より内側へ寄せる内転、内側へひねる内旋が重なる動きです。そのため術後は、両脚の間に外転枕を入れるなどして、患肢を外側へ開いた外転位に保ちます。読書をして過ごしているAさんでも、ベッドの上で脚を組んだり、深く前かがみになったりしないように説明します。よって、合併症を予防する適切な肢位は外転です。
人工股関節の脱臼は、脚を組む、横座りする、低い椅子に座るといった日常の動作で起こりやすいので、内転と深い屈曲を避けて外へ開く、と覚えておくと退院の指導にもつなげやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1外旋:外旋は脚を外側へひねる動きで、手術の進入の方向によってはこれも脱臼の原因になります。股関節を安定させるために意図して保つ肢位ではなく、術後に推奨される肢位ではありません。
- 3内旋:内旋は脚を内側へひねる動きで、屈曲や内転と重なると人工股関節が後方へ脱臼しやすくなります。術後は避けるべき肢位であり、予防のために保つ肢位ではありません。
- 4内転:内転は脚を体の中心線より内側へ寄せる動きで、脚を組むなどの姿勢で生じ、脱臼の大きな原因になります。術後は外転枕などで内転を防ぐので、保つべき肢位ではありません。
出典:第113回 看護師国家試験 午前(厚生労働省)問93(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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