平成31年度 春期 午前Ⅱ 問10
システム監査
システム監査基準に関する問題
システム監査基準(平成30年)では,監査計画の策定に当たり,監査対象として考慮する項目を,情報システムの“ガバナンス”,“マネジメント”,“コントロール”に関するものに分けて例示している。情報システムの“マネジメント”に関するものを監査対象とする場合に,考慮する項目としているものはどれか。
- アIT戦略と経営戦略の整合性がとられているか,新技術やイノベーションの経営戦略への組込みが行われているか。
- イIT投資管理や情報セキュリティ対策がPDCAサイクルに基づいて,組織全体として適切に管理されているか。
- ウ規程に従った承認手続が実施されているか,異常なアクセスを検出した際に適時な対処及び報告が行われているか。
- エ組織の業務プロセスなどにおいて,リスクに応じた統制が組み込まれているか。
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✓ これが正解イIT投資管理や情報セキュリティ対策がPDCAサイクルに基づいて,組織全体として適切に管理されているか。
解説
マネジメントは管理がPDCAで組織全体として回っているかを見ます。
見分ける軸は、ガバナンス、マネジメント、コントロールという三つの層のどこに当たる問いかけかです。設問が名指すシステム監査基準(平成30年)の例示では、ガバナンスは経営戦略とIT戦略の整合など経営陣が方向付ける領域、マネジメントはIT投資管理や情報セキュリティ対策などがPDCAサイクルに基づいて組織全体として適切に管理されているかという領域、コントロールは承認手続や異常なアクセスへの対処といった個々の統制の領域として整理されています。マネジメントの項目は、管理のサイクルが組織として回っているかを確かめる点に特徴があります。戦略の向きを問えばガバナンス、管理の回り方を問えばマネジメント、個々の手続を問えばコントロール、と層で分けると選べます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- アIT戦略と経営戦略の整合性がとられている…:IT戦略と経営戦略の整合性や、新技術やイノベーションを経営戦略へ組み込んでいるかを問う項目は、経営陣がITの方向を定めるガバナンスの領域に属します。管理のサイクルが回っているかを見る項目ではありません。
- ウ規程に従った承認手続が実施されているか,…:規程どおりの承認手続や、異常なアクセスを見つけたときの対処と報告を問う項目は、個々の手続が機能しているかを確かめるコントロールの領域です。組織全体で管理のサイクルが回っているかを問う項目とは層が違います。
- エ組織の業務プロセスなどにおいて,リスクに…:業務プロセスなどにリスクに応じた統制が組み込まれているかを問う項目は、個々のプロセスに置かれた統制の有無を見るものです。管理の仕組みがPDCAで組織全体として回っているかを問う項目とは、見る単位が異なります。
この問題の用語
- システム監査基準システム監査を行う人が守るべき進め方をまとめた指針。誰がやっても同じ水準で点検できるように、手順と心構えを定めています。
- 情報システム業務に必要なデータを集め、処理し、伝えるための仕組み全体です。コンピュータや通信網だけでなく、それを使う人や業務の手順も含みます。
- コントロール目的どおりに業務が進むように組み込む、決まりや点検、仕組みのことです。監査では、その整備と運用の状況が評価されます。
- 投資将来の利益を見込んで、設備や仕組みにお金を使うことです。使った額を何年で取り戻せるかを見て、いくつかの案を比べます。
- PDCA計画、実行、点検、処置の四つを繰り返して改善を続ける進め方です。最後の処置は、仕組みや成果を継続的に改善する手を打つ段階です。
- 組織目的を果たすために、人が役割を分けて集まったまとまりのことです。分け方には機能別、事業部制、マトリックスなどの形があります。
- 業務プロセス仕事の目的を果たすまでの一連の手順のこと。RPAなどを導入する前に、全体を見える形にして見直すことが大切とされます。
出典:平成31年度 春期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問10
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