平成28年度 春期 午前 問54
プロジェクトマネジメント
工数の見積りに関する記述
システム開発における工数の見積りに関する記述のうち,適切なものはどれか。
- アCOCOMO の使用には,自社における生産性に関する,蓄積されたデータが必要である。
- イ開発要員の技量は異なるので工数は参考にならないが,過去に開発したプログラムの規模は見積りの参考になる。
- ウ工数の見積りは,作業の進捗管理に有効であるが,ソフトウェアの品質管理には関係しない。
- エファンクションポイント法による見積りでは,プログラムステップ数を把握する必要がある。
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✓ これが正解アCOCOMO の使用には,自社における生産性に関する,蓄積されたデータが必要である。
解説
自社の実績データがそろって初めて当てはめられます。
システム開発の工数を見積もる方法には、いくつかの型があります。規模を土台にして数式で工数を出すもの、利用者から見える機能の数で規模を測るもの、作業を細かく分けて積み上げるものなどです。この設問は、四つの記述のうち手法の性質を正しく述べているものを選ばせています。ですから見るべきなのは、その手法が何を土台にして数字をはじき出すのかという一点です。COCOMOは、開発の規模を土台に、製品や要員や環境といった補正の係数を掛け合わせて工数を求める数式のモデルです。補正の係数は、自分たちの現場ではどうなのかという実績から決まります。ですから自社の生産性についての蓄積されたデータがなければ当てはめられません。裏を返すと、初めて使う組織ではいきなり精度が出るものではなく、実績を積むほど当たるようになる手法だということです。もう一つよく問われるファンクションポイント法は、入力や出力や照会といった、外から見える機能の数と複雑さから規模を求めます。作り方や実装する言語が決まっていない段階でも測れることが、この方法の利点になります。読み分けるときは、記述が名前を挙げた手法について、それが実際に何を土台にしているかを当ててみてください。前提がずれている記述と、見積りで欠かせない材料や結びつきを軽んじている記述とに分かれます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- イ開発要員の技量は異なるので工数は参考にな…:開発要員の技量は異なるので工数は参考にならない、と述べています。技量の差は補正で扱えばよく、過去に要した工数の実績は規模と並ぶ主要な材料です。後半の規模についての記述は正しいので、半分だけ正しい形になっています。
- ウ工数の見積りは,作業の進捗管理に有効であ…:工数の見積りは作業の進捗管理に有効だが、ソフトウェアの品質管理には関係しないと述べています。少なく見積もれば、同じ期日を守るためにレビューやテストの時間が削られます。両者は互いに引っぱり合うので切り離せません。
- エファンクションポイント法による見積りでは…:ファンクションポイント法による見積りではプログラムステップ数を把握する必要がある、と述べています。この方法が数えるのは利用者から見える機能の側なので、行数を把握しなくても測れます。行数を土台にするのは別の方法です。
この問題の用語
- 作業工程を組み立てる、一つひとつの仕事の単位のことです。開始と終了、所要日数をもち、順序をつないで全体の日程を作ります。
出典:平成28年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問54
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