平成28年度 春期 午前 問53
プロジェクトマネジメント
クリティカルパスに関する問題
プロジェクトのスケジュールを短縮したい。当初の計画は図 1 のとおりである。作業 E を作業 E1,E2,E3 に分けて,図 2 のように計画を変更すると,スケジュールは全体で何日短縮できるか。
〔凡例〕 丸が結合点,矢印が作業。矢印の上に作業名,下に所要日数を書く。点線の矢印はダミー作業を表す。
〔図 1〕 結合点を ①〜⑧ と呼ぶと,次のようにつながっている。
※ ①→②:A = 5 / ②→③:B = 8 / ②→④:C = 7 / ③→⑤:D = 7 / ③→⑥:E = 9 / ④→⑥:F = 5 / ⑤→⑧:G = 7 / ⑥→⑦:H = 4 / ⑦→⑧:I = 2
〔図 2〕 図 1 の作業 E だけを 3 つに分けたもの。ほかの作業と所要日数は図 1 と同じ。
※ ③→⑨:E1 = 3 / ③→⑩:E2 = 4 / ⑩→⑨:ダミー作業(点線・所要日数 0)/ ⑨→⑥:E3 = 2
- ア1
- イ2
- ウ3
- エ4
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✓ これが正解ア1
解説
全ての経路を数え直すと短縮は1日です。
設問は、当初の計画と、一つの作業を三つに分けた変更後の計画を比べて、スケジュールが全体で何日短縮できるかを問うています。短縮できる日数は、変更前の最も長い経路の長さから、変更後の最も長い経路の長さを引いたものです。ですから、経路を数え上げて最長を求める作業を、変更前と変更後で二回行うことになります。変更前に終点まで通る経路は三本あり、長さは27日、28日、23日です。最長の28日が変更前のクリティカルパスにあたります。変更後は、分けた三つの作業がどうつながるかを先に押さえます。結合点は、そこへ入ってくる作業がすべて終わるまで先へ進めません。所要日数が0のダミー作業でも順序の制約は本物なので、3日で着ける道と4日かかる道が合流する結合点には、4日たたないと着けません。そこへ2日の作業を足すので、分けた区間には6日かかります。その結果この経路は25日に縮みますが、今度は27日の経路のほうが最長になり、全体はそちらで決まります。28日から27日を引いて、短縮できるのは1日です。区間を縮めた幅がそのまま全体の短縮になるとは限らない、という点がこの問の要になります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- イ2:変更前と変更後でそれぞれ最長の経路を求め、その差を取るという手順を踏む限り、この値は出てきません。二つの図から得られる長さは28日と27日なので、差は1日にしかならないからです。
- ウ3:分けた作業を通る経路だけを見て、28日が25日になったと考えると出てくる値です。しかしその経路はもう最長ではなくなっており、全体は27日の別の経路に頭を押さえられます。
- エ4:順序の縛りだけを持つ所要日数が零の作業を読み飛ばし、分けた作業が3日と2日で足りると数え、そのうえ27日の別の経路も見落としたときに出てくる値です。実際には4日の作業が終わるまで、その先へは進めず、全体も27日の経路で決まります。
この問題の用語
- クリティカルパス全体の日数を決めている、余裕のない作業のつながりのことです。ここが遅れると全体が遅れるので、重点的に管理します。
- ダミー作業アローダイアグラムで、所要日数0の点線として描く見かけの作業です。実際の仕事ではなく、作業どうしの順序の制約だけを表します。
- プロジェクトある目的のために期間を決めて行う、一回限りの活動。決算処理のように同じ手順を繰り返す定常業務とは区別されます。
- スケジュール作業の順序と日程を決めた計画のことをいいます。作業の前後関係から日程を組み立てるには、PERTが向いています。
出典:平成28年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問53
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 春期 午前 問53:クラッシングに該当するもの(クリティカルパス)
- 令和6年度 秋期 午前 問54:ファストトラッキングの例(クリティカルパス)
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- 平成31年度 春期 午前 問53:アローダイアグラムに関する問題(ダミー作業)
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