平成26年度 秋期 午前 問54
プロジェクトマネジメント
ファストトラッキングに関する問題
工期を短縮させるために,クリティカルパス上の作業に“ファストトラッキング”技法を適用した対策はどれか。
- ア時間外勤務を実施する。
- イ生産性を高められる開発ツールを導入する。
- ウ全体の設計が完了する前に,仕様が固まっているモジュールの開発を開始する。
- エ要員を追加投入する。
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✓ これが正解ウ全体の設計が完了する前に,仕様が固まっているモジュールの開発を開始する。
解説
順番に行う作業を重ねて走らせます。
設問は、工期を短縮させるために、クリティカルパス上の作業にファストトラッキングという技法を適用した対策を選ばせています。日程を縮める技法は大きく二つに分かれますので、どちらの説明になっているかで決めます。一方は、順番に行う予定だった作業を重ねて並行させるやり方で、これがファストトラッキングです。費用は増えませんが、前の工程が固まる前に走り出すぶん、やり直しの危険が増えます。もう一方は、資源を投じて一つの作業の期間そのものを縮めるクラッシングで、こちらは費用が増えます。並んでいる四つのうち、作業を重ねているのは一つだけです。全体の設計が完了する前に、仕様が固まっているモジュールの開発を開始するという対策が当てはまります。この記述が上手いのは、範囲の選び方まで書いてあるところです。全部を先走らせるのではなく、変わらないと分かっている部分から着手することで、やり直しの危険を小さく抑えています。もう一つ、クリティカルパス上のという限定も効いています。この経路には余裕が無く、ここが遅れると全体が遅れます。逆に言えば、この経路に乗っていない作業をいくら早めても、工期は一日も縮みません。なお縮めた結果、別の経路が新しい最長の経路になることがありますので、縮めたら引き直します。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア時間外勤務を実施する。:働く時間を増やして作業の期間を詰めるやり方で、投じているのは人の時間という資源です。順番に行う作業を重ねてはいませんので、費用の増える側の技法にあたります。
- イ生産性を高められる開発ツールを導入する。:生産性を高める道具を入れるのも、資源を投じて期間を縮める側の工夫です。作業の順序そのものには手を付けておらず、重ねることで短縮しているわけではありません。
- エ要員を追加投入する。:人を足して作業の期間を縮めるやり方で、これも資源を投じる側です。増えるのは費用であり、前の工程の完了を待たずに次を始めるという形にはなっていません。
この問題の用語
- クリティカルパス全体の日数を決めている、余裕のない作業のつながりのことです。ここが遅れると全体が遅れるので、重点的に管理します。
- 作業工程を組み立てる、一つひとつの仕事の単位のことです。開始と終了、所要日数をもち、順序をつないで全体の日程を作ります。
出典:平成26年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問54
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 春期 午前 問53:クラッシングに該当するもの(クリティカルパス)
- 令和6年度 秋期 午前 問54:ファストトラッキングの例(クリティカルパス)
- 令和元年度 秋期 午前 問52:クリティカルパスに関する問題(クリティカルパス)
- 平成31年度 春期 午前 問53:アローダイアグラムに関する問題(クリティカルパス)
- 平成29年度 春期 午前 問52:アローダイアグラムに関する問題(クリティカルパス)
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