平成27年度 秋期 午前Ⅱ 問11
サービスマネジメントシステムの計画及び運用
エスカレーションに関する問題
ITサービスマネジメントにおけるインシデントの段階的取扱い(エスカレーション)の種類のうち,階層的な取扱いに該当するものはどれか。
- ア一次サポートグループでは解決できなかったインシデントの対応を,より専門的な知識をもつ二次サポートグループに委ねる。
- イ現在の担当者では解決できなかったインシデントの対応を,広範にわたる関係者を招集する権限をもつ上級マネージャに委ねる。
- ウ自分のシフト勤務時間内に完了しなかったインシデントの対応を,次のシフト勤務者に委ねる。
- エ中央サービスデスクで受け付けたインシデントの対応を,利用者が属する地域のローカルサービスデスクに委ねる。
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✓ これが正解イ現在の担当者では解決できなかったインシデントの対応を,広範にわたる関係者を招集する権限をもつ上級マネージャに委ねる。
解説
上位の権限をもつ管理者に委ねるのが、階層的なエスカレーションです。
エスカレーションには、機能的なものと階層的なものの二種類があります。見分ける軸は、委ねる先が知識の深い担当か、権限の大きい管理者かです。機能的エスカレーションは、技術的に解決できないときに、より専門的な知識をもつサポートグループへ対応を移します。階層的エスカレーションは、解決が遅れそうなときや影響が大きいときに、関係者を集める権限や判断の権限をもつ上級の管理者へ対応を引き上げます。広範な関係者を招集する権限をもつ上級マネージャに委ねる例は、権限の階段を上がる後者に当たります。知識を求めて移すのが機能的、権限を求めて上げるのが階層的、と覚えると区別できます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア一次サポートグループでは解決できなかった…:より専門的な知識をもつ二次サポートグループへ委ねるのは、技術的な知識の深さを求めて担当を移す機能的エスカレーションです。権限の大きい管理者へ引き上げる階層的な取扱いとは、委ねる先の性格が違います。
- ウ自分のシフト勤務時間内に完了しなかったイ…:シフト勤務の時間内に終わらなかった対応を次の勤務者へ渡すのは、勤務交代に伴う引継ぎです。より深い知識や大きな権限を求めて対応を移すわけではないので、エスカレーションのどちらの種類にも当たりません。
- エ中央サービスデスクで受け付けたインシデン…:中央のサービスデスクから地域のローカルサービスデスクへ回すのは、受付の窓口どうしで担当を振り分けることです。上位の権限をもつ管理者へ判断を仰ぐ流れではなく、階層的な取扱いには当たりません。
この問題の用語
- エスカレーション自分たちで解決できないことを、上位や専門の担当へ引き継ぐことです。連絡の道筋は、影響の大きさに応じて分けておきます。
- インシデントサービスの計画外の中断や品質の低下、またはそのおそれがある出来事です。情報セキュリティでは、安全が損なわれるおそれが高いものを指します。
- サービスデスク利用者からの問合せや障害の連絡を、一つの窓口で受け付ける組織です。受けた内容を記録し、解決まで見届けたり担当部門へ引き継いだりします。
- サービスマネジメントITサービスを計画し、提供し、良くしていく一連の管理活動です。計画外の中断や品質の低下は、インシデントとして扱います。
- 段階的取扱い一次の窓口が、専門的な技能をもつ次の担当へ解決を頼むことです。同じことをエスカレーションと呼ぶこともあります。
- 権限そのアカウントに許された操作の範囲のことです。用途ごとに必要なものだけを与え、定義用と更新用のように分けて持たせます。
- ローカルサービスデスク利用者の近くに置く形のサービスデスクです。言語や文化の違う利用者への対応や、特別な相手への専任対応がしやすくなります。
出典:平成27年度 秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問11
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 春期 午前Ⅱ 問8:RTOに関する問題(インシデント)
- 令和6年度 春期 午前Ⅱ 問16(権限)
- 令和6年度 春期 午前Ⅱ 問8:サービスデスクに関する問題(サービスデスク)
- 平成29年度 秋期 午前Ⅱ 問12:インシデント・モデルに関する問題(エスカレーション)
- 平成25年度 秋期 午前Ⅱ 問7:階層的エスカレーションの問題(ローカルサービスデスク)
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