第38回 問題109
ソーシャルワークの基盤と専門職(専門)
バートレット(Bartlett, H.)が示したソーシャルワークに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1クライエントの自我の変化のための診断と介入による実践として示した。
- 2ケースワーク,グループワーク,コミュニティワークのそれぞれの専門家を必要に応じて組み合わせるコンビネーションアプローチを提唱した。
- 3診断主義と機能主義の折衷主義として,問題を持つ人が,専門職がいる場所で支援を受ける過程であると示した。
- 4価値,知識,介入方法の可視化された総体であり,それらは個別の方法としても分離可能であるとした。
- 5社会的役割と関係性の中での人々の機能に焦点を当て,環境との関係を重視することを示した。
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✓ これが正解5社会的役割と関係性の中での人々の機能に焦点を当て,環境との関係を重視することを示した。
解説
バートレットは社会的機能に焦点を当て、人と環境の関係を重視した。
バートレット(Bartlett, H.)は、ソーシャルワーク実践の共通基盤を示した人物です。ケースワーク・グループワーク・コミュニティワークと方法ごとに分かれていたソーシャルワークに対し、すべての実践に共通する土台を明らかにしようとしました。
バートレットは、ソーシャルワーク実践を、価値、知識、介入方法(調整活動)が一体となったものとしてとらえ、その中心に社会的機能(ソーシャル・ファンクショニング)という視点を置きました。社会的機能とは、人々が社会の中で担う役割や他者との関係の中で、環境からの要求にどう対処しているか、という人と環境の相互の関係を指します。人を環境から切り離して治療するのではなく、人と環境の関係の中で起きていることに焦点を当てるという考え方です。社会的役割と関係性の中での人々の機能に焦点を当て、環境との関係を重視したとする記述が最も適切です。
ほかの記述は別の理論の特徴です。クライエントの自我の変化を目指す診断と介入は、精神分析の影響を受けた診断主義の考え方です。問題を持つ人が専門職のいる場所で支援を受ける過程という説明は、パールマンの問題解決アプローチの要素(人・問題・場所・過程)に通じます。またバートレットは価値・知識・介入方法を一つにまとまった全体としてとらえたので、個別に分離可能とする説明は合いません。
バートレットは共通基盤と社会的機能、パールマンは4つのP、と人名と鍵の語を対にして覚えると見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1クライエントの自我の変化のための診断と介…:自我に働きかけて内面の変化を図り、診断にもとづいて治療的に関わるという説明は、フロイトの理論を土台にした初期のケースワークの流れに属します。人と環境の関係に目を向けたバートレットの立場とは別物です。
- 2ケースワーク,グループワーク,コミュニテ…:方法ごとの専門家を必要に応じて組み合わせるコンビネーションアプローチは、ソーシャルワークの方法を統合していく過程で示された考え方の一つです。共通基盤を示したバートレットの主張として述べるのは誤りです。
- 3診断主義と機能主義の折衷主義として,問題…:人・問題・場所・過程の4つの要素から援助をとらえる説明は、パールマンが唱えた問題解決アプローチの内容です。二つの学派を折衷した立場として知られるのもパールマンで、バートレットの業績とは取り違えています。
- 4価値,知識,介入方法の可視化された総体で…:バートレットは、価値・知識・介入方法を、ソーシャルワーク実践を形づくる一つにまとまった全体としてとらえました。それらを個別の方法として分離できるとした点が、共通基盤の考え方と食い違います。
出典:第38回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題109。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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