第37回 問題76
ソーシャルワークの理論と方法
コノプカ(Konopka, G.)の提唱したグループワークの原則に関する次の記述のうち,適切なものを2つ選びなさい。
- 1メンバー個々に新しい体験を付与することよりも,過去の体験を重視する。
- 2援助者が積極的にプログラムに参加し,メンバーの問題を解決する。
- 3グループ活動のルールを決め,メンバーの成長を阻害する場合には制限を設ける。
- 4メンバー個人の相違点,及び当該グループが他のグループとは違う特徴をもつグループであることを認識するために個別化を行う。
- 5メンバー間の相互作用の中で生じる葛藤は,表面化しないように働きかける。
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✓ これが正解3グループ活動のルールを決め,メンバーの成長を阻害する場合には制限を設ける。
✓ これが正解4メンバー個人の相違点,及び当該グループが他のグループとは違う特徴をもつグループであることを認識するために個別化を行う。
解説
成長を妨げる場合の制限と、メンバーとグループの個別化が原則に合います。
2つ選ぶ問です。コノプカは、グループワークを、意図的なグループ経験を通じて個人の社会的に機能する力を高め、個人や集団、地域社会の問題により効果的に対処できるよう援助する方法と捉え、援助者が守るべき原則を示しました。その中には、個別化、受容、援助者とメンバーの協力関係、メンバー間の相互作用の促進、葛藤解決の経験、新しい経験の機会、制限の原則、プログラムの活用、継続的な評価などがあります。
適切な一つ目は、グループ活動のルールを決め、メンバーの成長を阻害する場合には制限を設けるという記述です。これは制限の原則にあたり、メンバー自身や他のメンバーを傷つける行動、グループの成長を妨げる行動に対しては、援助者が判断に基づいて制限を加えるとするものです。適切な二つ目は、メンバー個人の相違点と、そのグループが他のグループとは違う特徴をもつことを認識するために個別化を行うという記述です。コノプカの個別化は、グループの中の個人を一人ひとり捉えることと、グループそのものを他と異なる一つの集団として捉えることの両方を含みます。
見分け方は、援助者はメンバーの力を引き出す側に立ち、葛藤や新しい体験もメンバーの成長の機会として生かす、という原則全体の方向に合うかで判断することです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1メンバー個々に新しい体験を付与することよりも,過去の体験を重視する。:コノプカの原則は、メンバーに新しい体験の機会をつくることを重んじています。過去の体験を優先して新しい体験の付与を後回しにするという記述は、グループでの経験を成長の機会とみる考え方と逆です。
- 2援助者が積極的にプログラムに参加し,メンバーの問題を解決する。:援助者はメンバーと協力関係を築き、メンバーが自分たちで問題に取り組めるよう助ける立場です。援助者が前に出てメンバーの問題を解決してしまうのは、メンバーの主体性を損ない、原則に反します。
- 5メンバー間の相互作用の中で生じる葛藤は,表面化しないように働きかける。:メンバー間の葛藤は、メンバー自身が解決の経験を積む機会として生かすのが原則です。表面化しないように抑え込むと、葛藤を通して学ぶ機会が失われるため、記述は原則と合いません。
出典:第37回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題76。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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