第38回 問題39
権利擁護を支える法制度
次のうち,介護保険制度において行政行為に当たるものとして,正しいものを1つ選びなさい。
- 1行政直営の地域包括支援センター職員による介護保険制度に関する教示
- 2行政直営の地域包括支援センター職員による介護予防ケアプランの作成
- 3指定介護サービス事業者に対する改善勧告
- 4介護保険審査会への審査請求
- 5市町村による要介護認定
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✓ これが正解5市町村による要介護認定
解説
市町村による要介護認定は、法的効果を生じる行政行為にあたります。
行政行為(行政処分)とは、行政機関が、法律にもとづいて一方的に、特定の国民の権利や義務を具体的に決める行為をいいます。行政指導や事実上の行為、国民の側から行う申立てなどは、これにあたりません。
要介護認定は、市町村が被保険者の申請を受け、介護認定審査会の審査・判定にもとづいて行うものです。認定の結果によって、その人が介護保険の給付を受けられるかどうかや、受けられる給付の範囲が具体的に決まります。法律にもとづいて一方的に権利や義務の内容を決める行為なので行政行為にあたり、不服があれば介護保険審査会への審査請求の対象になります。したがって、市町村による要介護認定が正しいものです。
ほかの選択肢は、情報の提供や計画づくりといった事実上の行為、相手方の自主的な協力を求める働きかけ、国民の側からの申立てであり、行政が一方的に権利や義務を決めるものではありません。
行政行為かどうかは、行政が一方的に、相手の権利や義務を具体的に決めているかどうかで見分けます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1行政直営の地域包括支援センター職員による介護保険制度に関する教示:地域包括支援センターの職員が介護保険制度の内容を説明する教示は、情報を提供する事実上の行為です。説明によって相手の権利や義務が新たに決まるわけではないので、行政行為にはあたりません。
- 2行政直営の地域包括支援センター職員による介護予防ケアプランの作成:介護予防ケアプランの作成は、利用者の状態や希望を踏まえてサービス利用の計画を立てる支援の行為で、利用者の同意のもとで進められます。行政が一方的に権利や義務を決める行為ではありません。
- 3指定介護サービス事業者に対する改善勧告:指定介護サービス事業者への改善勧告は、事業者に自主的な改善を促す行政指導にあたり、それ自体が従う法的義務を課すものではありません。勧告に従わない場合に出される命令とは区別されます。
- 4介護保険審査会への審査請求:介護保険審査会への審査請求は、要介護認定などの処分に不服がある被保険者が行う不服申立てです。国民の側からの申立てであり、行政機関が一方的に行う行政行為ではありません。
出典:第38回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題39。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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