第37回 問題39
権利擁護を支える法制度
「障害者差別解消法」に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
- 1都道府県知事は,障害を理由とする差別の解消に関する施策の総合的かつ一体的な実施のため,基本方針を定めなければならない。
- 2市町村長は,障害を理由とする差別の禁止に関して,事業者が適切に対応するために必要な指針を定めなければならない。
- 3事業者は,障害を理由とする差別の禁止に関する職員対応要領を定める義務がある。
- 4事業者は,障害者から社会的障壁の除去につき意思の表明があり,過重な負担でない場合,社会的障壁の除去について必要かつ合理的な配慮をしなければならない。
- 5事業主が労働者に対して行う障害を理由とする差別の解消のための措置についても「障害者差別解消法」の定めるところにより実施される。(注) 「障害者差別解消法」とは,「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」のことである。
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✓ これが正解4事業者は,障害者から社会的障壁の除去につき意思の表明があり,過重な負担でない場合,社会的障壁の除去について必要かつ合理的な配慮をしなければならない。
解説
事業者は、過重な負担でなければ合理的配慮をしなければなりません。
障害者差別解消法は、障害を理由とする差別の解消を推進するための法律で、不当な差別的取扱いの禁止と、合理的配慮の提供を柱としています。この問は、法律の各条で、誰に何が求められているかで判断します。
第8条第2項は、事業者は、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならないと定めています。事業者の合理的配慮の提供は以前は努力義務でしたが、2021年(令和3年)の改正により、2024年(令和6年)4月1日から義務となりました。この記述が正しいものです。
ほかの記述を確認します。基本方針を定めるのは政府です(第6条)。事業者のための対応指針を定めるのは主務大臣です(第11条)。職員対応要領は国の行政機関の長などが定めるもので、事業者に定める義務はありません。事業主が労働者に対して行う差別の解消の措置は、障害者の雇用の促進等に関する法律によります(第13条)。
基本方針は政府、対応指針は主務大臣、雇用の分野は障害者雇用促進法、と主体と分担を押さえておくと判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1都道府県知事は,障害を理由とする差別の解…:障害を理由とする差別の解消に関する施策を総合的かつ一体的に実施するための基本方針は、政府が定めることとされています。都道府県知事が定めるものではありません。
- 2市町村長は,障害を理由とする差別の禁止に…:事業者向けの対応指針は、それぞれの事業を所管する大臣が、基本方針に沿って作るものです。市町村長に指針を定める役割は与えられていません。
- 3事業者は,障害を理由とする差別の禁止に関…:職員対応要領を作るのは国の行政機関の長などで、地方公共団体の機関は作るよう努めるものとされています。民間の事業者に作成を義務づける条文はありません。
- 5事業主が労働者に対して行う障害を理由とす…:雇い主が自分の労働者に対して行う差別解消の措置については、別の法律である障害者の雇用の促進等に関する法律の定めに委ねられており、差別解消法の対象から外されています。
出典:第37回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題39。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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