第38回 問題37
権利擁護を支える法制度
民法の婚姻にかかる規定及び解釈に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1未成年者は,親権者の同意がなければ婚姻できない。
- 2成年被後見人は,成年後見人の同意がなければ婚姻できない。
- 3夫婦は同居しなければならない。
- 4離婚は裁判によらなければならない。
- 5内縁の夫婦が内縁関係を解消する場合,財産分与を請求することはできない。
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✓ これが正解3夫婦は同居しなければならない。
解説
民法は、夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならないと定めます。
民法の婚姻の規定では、婚姻の成立の要件(婚姻できる年齢など)、婚姻の効力(同居・協力・扶助の義務など)、離婚の方法を順に定めています。この問は、これらの規定と判例の考え方で判断します。
民法第752条は、夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならないと定めています。同居の義務は、婚姻の効力として明文で置かれた義務なので、夫婦は同居しなければならないという記述が最も適切です。仕事の都合による単身赴任のように、正当な理由がある別居までが否定されるわけではありませんが、同居が夫婦の基本的な義務であることに変わりはありません。
ほかの記述は、婚姻できる年齢と同意の要否、成年被後見人の婚姻、離婚の方法、内縁を解消するときの扱いについて、民法の規定や判例の考え方と異なっています。
婚姻の効力として、同居・協力・扶助の三つの義務がひとまとまりで定められている、と覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1未成年者は,親権者の同意がなければ婚姻できない。:2022年4月の民法改正で婚姻できる年齢は男女とも18歳となり、成年年齢と同じになりました。未成年者はそもそも婚姻できないので、父母の同意があれば婚姻できるという仕組みもなくなっています。
- 2成年被後見人は,成年後見人の同意がなければ婚姻できない。:民法は、成年被後見人が婚姻をするには、その成年後見人の同意を要しないと定めています。婚姻のような身分に関する行為は本人の意思が尊重されるもので、意思能力があれば本人だけで婚姻できます。
- 4離婚は裁判によらなければならない。:離婚は、夫婦が話し合って離婚届を出す協議離婚によっても成立します。話し合いがまとまらない場合に、調停や審判、裁判による離婚の手続きが用意されているので、裁判によらなければならないわけではありません。
- 5内縁の夫婦が内縁関係を解消する場合,財産分与を請求することはできない。:内縁の夫婦が生前に関係を解消する場合について、判例は、離婚の財産分与の規定を類推適用して財産分与を請求できるとしています。婚姻届を出していなくても、実質的な夫婦の財産関係の清算が認められます。
出典:第38回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題37。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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