第38回 問題40
権利擁護を支える法制度
事例におけるAさんとBさんの会話を読んで,〔甲〕に入る文章として,次のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Aさん 「私は,将来に備えて,任意後見制度の利用を検討しているんだ」
Bさん 「それはいいことだね。任意後見制度は〔甲〕と聞いているよ」
Aさん 「それは安心だね」
- 1いつでも任意後見契約の効力を生じさせることができる
- 2家庭裁判所が任意後見人を選任する
- 3任意後見人が家庭裁判所から直接監督を受ける
- 4本人が希望すれば,公正証書で任意後見契約を締結することもできる
- 5任意後見契約の効力が生じる場合には必ず任意後見監督人が選任される
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✓ これが正解5任意後見契約の効力が生じる場合には必ず任意後見監督人が選任される
解説
任意後見契約は、任意後見監督人が選任された時から効力を生じます。
任意後見制度は、本人に判断能力があるうちに、将来判断能力が不十分になったときに備えて、生活や療養看護、財産管理に関する事務を任せる人(任意後見受任者)と代理権の範囲を、自ら契約で決めておく制度です。任意後見契約に関する法律に定められています。
同法は、任意後見契約を、任意後見監督人が選任された時から効力を生ずる旨の定めのある委任契約と定義しています。本人の判断能力が不十分な状況になったとき、本人、配偶者、四親等内の親族または任意後見受任者の請求により家庭裁判所が任意後見監督人を選任し、そこで契約の効力が生じます。つまり、効力が生じる場合には必ず任意後見監督人が選任されており、任意後見人はこの監督人の監督を受けて事務を行います。したがって、この記述が最も適切です。
ほかの記述は、契約の効力が生じる時期、任意後見人を決める人、家庭裁判所の監督の仕方、契約の方式を取り違えています。
任意後見は、本人が選ぶ(任意後見人)、公証人が関わる(公正証書)、家庭裁判所が選ぶ(任意後見監督人)、の三点で法定後見と区別しましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1いつでも任意後見契約の効力を生じさせることができる:任意後見契約は、本人の判断能力が不十分な状況になり、家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時から効力を生じます。本人や任意後見受任者の都合で、いつでも効力を生じさせることはできません。
- 2家庭裁判所が任意後見人を選任する:任意後見人になるのは、本人が契約で選んだ任意後見受任者です。家庭裁判所が選任するのは任意後見人を監督する任意後見監督人であり、任意後見人そのものではありません。
- 3任意後見人が家庭裁判所から直接監督を受ける:任意後見人の事務は、家庭裁判所が選任した任意後見監督人が監督し、家庭裁判所は監督人からの報告などを通じて間接的に関わります。任意後見人が家庭裁判所から直接の監督を受ける仕組みではありません。
- 4本人が希望すれば,公正証書で任意後見契約を締結することもできる:任意後見契約は、法務省令で定める様式の公正証書によってしなければならないと法律で定められています。本人が希望した場合に限って公正証書で締結できる、という任意の扱いではありません。
出典:第38回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題40。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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