第37回 問題101
貧困に対する支援
事例を読んで,生活困窮者自立相談支援機関の相談支援員による支援に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Aさん(25歳)は,両親と3人で暮らしている。高校卒業後,工場に就職したが職場での人間関係がうまくいかず3か月で離職した。その後も短期間での転職を繰り返し,ここ2年ほどは無職である。仕事上の失敗が続いたことから就労への意欲が低下して,引きこもり状態である。そこで,Aさんの状況を見かねた両親は,本人とともに社会福祉協議会に設けられている生活困窮者自立相談支援機関の窓口に行って相談した。Aさんもこのままではいけない,どうにか1歩前に進みたいと意欲を示し,両親からもAさんを支えていきたいとの気持ちが示された。
- 1生活保護を受給する可能性を探るため,資力調査を行う。
- 2生活保護の受給に先立って,自立支援プログラムを策定し,参加を勧める。
- 3Aさんの課題を把握し,自立相談支援機関による支援を継続するか,他機関につなげるかを判断する。
- 4ハローワークで求職活動を行うよう,生活困窮者自立支援法に基づく指導・指示を行う。
- 5自立生活のためのプラン案を策定するため,支援会議の開催を依頼する。
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✓ これが正解3Aさんの課題を把握し,自立相談支援機関による支援を継続するか,他機関につなげるかを判断する。
解説
まず課題を把握し、支援を続けるか他機関へつなぐかを判断します。
この事例は、引きこもり状態のAさんと両親が自立相談支援機関の窓口を訪れた最初の相談の段階で、インテークからアセスメントにあたります。決め手は、Aさんが1歩前に進みたいと意欲を示し、両親も支えたいと話している一方で、Aさんの課題がまだ整理されていない点です。
生活困窮者自立相談支援事業では、相談を受けると、まず本人の状況を聴き取り、どのような課題があるかを把握します。そのうえで、自立相談支援機関が引き続き支援するのか、課題によっては他の専門機関につなぐのがよいのかを判断します(スクリーニング)。必要に応じて本人と一緒にアセスメントを深め、支援プランの作成へと進みます。
Aさんの場合、職場の人間関係のつまずきや仕事上の失敗が重なった経緯があり、就労の意欲の回復や生活のリズムづくりなど、段階を追った支援が必要と考えられます。課題を把握し、支援の継続か他機関へのつなぎかを判断するという記述は、この最初の段階の動きとして最も適切です。
覚え方として、自立相談支援は、受け止めて課題を把握し、つなぐか続けるかを決めてからプランへ進む、という順番で考えると選びやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1生活保護を受給する可能性を探るため,資力調査を行う。:資力調査は生活保護の申請を受けた福祉事務所が行う調査で、自立相談支援機関の役割ではありません。Aさんは両親と暮らして支えも得ており、まずは本人の課題を整理する段階です。
- 2生活保護の受給に先立って,自立支援プログラムを策定し,参加を勧める。:自立支援プログラムは、福祉事務所が生活保護を受けている人に対して用意する支援の仕組みです。生活保護を受けていないAさんの最初の相談の段階で、受給を前提にした話を進めるのは順序が違います。
- 4ハローワークで求職活動を行うよう,生活困窮者自立支援法に基づく指導・指示を行う。:生活困窮者自立支援法には、生活保護法のような指導・指示の仕組みはありません。支援は本人の意思を尊重して進めるもので、意欲を見せ始めたAさんに求職活動を命じるような関わりは適切ではありません。
- 5自立生活のためのプラン案を策定するため,支援会議の開催を依頼する。:支援プランの案は、相談支援員が本人と話し合いながら作り、その内容は支援調整会議で確認されます。支援会議は関係機関が情報を共有して支援の体制を検討する場で、プラン案を作るために開くものではありません。
出典:第37回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題101。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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